終活アドバイザーとは? 資格、NPO法人ら・し・さの役割をわかりやすく解説

終活アドバイザーの資格勉強をする女性の写真 終活

私たちが生を全うする過程で、その終わりに向けた準備や活動は、自身の望む人生の締めくくりを図るだけでなく、遺される家族や友人への配慮となります。そのため、終活という概念が重要性を増しています。終活は、「終の活動」を意味し、自己の死後のことを含むあらゆる準備を指します。

しかし、法的な手続き、遺産分配、遺言、葬儀の準備など、終活には様々な複雑な要素が含まれています。ここで終活アドバイザーの役割が重要となります。終活アドバイザーは、これらの複雑なプロセスを個々のニーズに合わせてガイドし、透明性と安心感を提供します。

この記事では、終活アドバイザーの役割と、その資格について、そしてその資格を認定しているNPO法人ら・し・さの役割について、初心者にも理解しやすいように解説します。

終活アドバイザーとは?

終活アドバイザーとは、一般的に個人や家族が自身の死後の準備を整理し、プランニングするための専門的なアドバイスを提供するプロフェッショナルです。彼らの主な業務は、遺産分配、葬儀の準備、遺言作成、生前整理など、終活に関連する多岐にわたる領域をカバーします。個々のニーズと希望に対応し、尊厳のある生の終わりを実現するためのサポートを提供します。

終活アドバイザーになると、下記のような事が出来ます。

  • エンディングノート作成のアドバイスが出来る
  • 終活で困る人の相談相手になれる
  • 専門家への紹介やコーディネイトを行える
  • 自治体窓口などへの同行や手続きの手伝いができる
  • 終活に関連する手続きのスムーズな引き継ぎの手伝いができる

分かりやすくいうならば、終活に関することのアドバイスが出来るという事です。

終活アドバイザーの資格の利用の仕方としては、士業や生前整理業者の方々が終活アドバイザーの資格を持っていることで依頼者の安心感を得られたり、特に士業の方であれば「終活の領域に精通しているんだ」という事を証明する事が出来ます。

しゅう
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民間資格の中でも終活アドバイザーの資格は比較的に取得が簡単な方ですので、この資格だけで何かをするというよりは、既存の仕事に安心感を付けるという意味合いで利用するのが良いかと思います。

終活アドバイザーの資格

終活アドバイザーの資格取得には、基本的に特別な要件はありませんが、終活に関する基礎的な知識と経験が求められます。

終活アドバイザーのホームページによれば、資格取得までの流れとしては下記になっています(すべて自宅で勉強&試験が受けられます)。

  1. ユーキャンで講座を申し込む(一括払いで35000円)
  2. テキストは全部で3巻あるので、「1つのテキストを勉強→添削テストを受ける」を3回繰り返す
  3. 4回目の添削課題=検定試験を受けて、60%以上の得点で合格。万が一、不合格だった場合でも受講期間内なら何度でもチャレンジが可能です
  4. 試験合格後に終活アドバイザー協会に登録でき(入会金4000円、年会費6000円)、協会登録の終活アドバイザーとして認定書が授与され、会員証が発行されます

学びの内容としては、テキスト1は終活に関する基礎知識(人間関係・住まい・資産など)について学びます。テキスト2は公的年金制度や公的医療保険制度、成年後見制度などについて学習します。そしてテキスト3では、死後の手続きやお墓・相続について学んでいきます。

終活アドバイザーの資格取得の学習を通して、終活全般のことを学べますし、実際にエンディングノートも自分で書くことになるので、実践的な学びができると言えるでしょう。

しかし、ただ資格を持つだけでなく、真に価値ある終活アドバイザーとなるためには、絶えず学び続ける姿勢が重要です。法律や税制、社会保障制度などは常に変わりますし、新たなサービスや商品も次々と登場します。これらの変化をキャッチアップし、クライアントに最適なアドバイスを提供できるよう、知識と情報を常に更新し続けることが求められます。

しゅう
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常に情報を更新し続ける、常に変化にキャッチアップしていく姿勢は、どんな業界・業種でも大切な点ですよね!

終活アドバイザーの実際の業務

終活アドバイザーの資格をこれまで見てきましたが、実際の業務としてはどのような事を行うのか?を見ていきましょう。具体的には、以下のような業務を担当します。

遺言や遺産の相談受付

終活アドバイザーは、遺言の作成や遺産分割についての相談を受け付けます。これには、法律的な知識が必要となるため、専門的な知識を持つ終活アドバイザーの助けが不可欠です。

生前の葬儀の準備と手配

生前に終活として葬儀を考えておきたい方は多くいらっしゃいます。終活アドバイザーは、そのような方の相談にのってあげる事も出来ます。葬儀社の選択や費用の見積もり、宗教的な儀式の選択など、葬儀に関するあらゆる事項をアドバイスします。

墓地の選択

終活アドバイザーは、墓地の選択や管理についてもアドバイスを提供します。これには、墓地の種類や価格、位置、管理方法などについてのアドバイスが含まれます。

金融資産の管理

終活アドバイザーは、貯蓄や保険、年金などの金融資産についてのアドバイスも行います。これには、資産の配分や相続税の対策、財産の適切な管理方法などについてのアドバイスが含まれます。

エンディングノートの作成サポート

終活アドバイザーは、エンディングノートの作成サポートも行えます。エンディングノートを書き始めたいけど、なかなか一歩を踏み出せない方に対しての助けになることが出来るのです。ただし、エンディングノートの内容には、依頼者の個人情報が含まれるケースが多いので、その取扱いについては気を付けるようにしましょう。

これらの業務を通じて、終活アドバイザーは、終活に関する情報の提供、問題解決の支援、そして何よりも、安心した終活を迎えるためのサポートを行います。このように、終活アドバイザーは、私たちが人生の終わりを迎える際に安心して、自分らしく生きられるような支援を提供する重要な役割を果たしています。

終活アドバイザーを発行するNPO法人ら・し・さとは?

終活アドバイザーの資格は、NPO法人ら・し・さが発行しています。

NPO法人ら・し・さは、人生後半期を「その人らしく」過ごすためのお手伝いをする、終活の専門家集団です。「終活」に関するイベントの開催、執筆調査等により、情報発信やノウハウの提供を行っています。

NPO法人ら・し・さの概要

NPO法人ら・し・さは、平成15年9月16日に設立されたNPO法人です。令和4年5月31日現在の会員数は93名となっており、若色信悟さんが理事長を務められています。

NPO法人ら・し・さの財務状況

NPO法人ら・し・さの財務状況については、東京都生活文化スポーツ局のHPで確認することが出来ます。下記には公開されている過去5年分の収益と財産状況を表にまとめました。

単位:円令和3年令和2年令和元年平成30年平成29年
経常収益44,521,63858,297,53835,810,09329,683,49219,974,694
当期経常増減額1,301,16412,283,9814,065,7644,900,4132,971,135
正味財産28,551,38927,259,22515,036,24410,970,4806,070,067
NPO法人ら・し・さの過去5年分の財務状況の表

表からわかるように、年ごとに収益が増加し(経常収益)、毎年黒字になっており(当期経常増減額)、資産が増加している事が理解できます(正味財産)。※令和3年はコロナの影響かな?という想像です

収益のうち、約7割が終活アドバイザー協会の会員会費を占めているので、終活アドバイザーとしての資格を今後も世間に広めていければ、安定した運営が出来るのだろうと考えます。

この状況をみるからに、組織としては適正に運営されているのが伺えますし、終活アドバイザーの資格が、運営母体が無くなることで消失する心配は年々無くなっているのが分かります(資産が積み重ねられている為)。

終活への需要は今後もますます増加していくと思いますので、NPO法人ら・し・さ及び終活アドバイザーという資格の存在意義は上がっていくことと思います。

まとめ

終活アドバイザーは、人々が人生の終わりを安心して迎えられるよう支援する重要な役割を担っています。この記事では、終活アドバイザーとは何か、資格取得のプロセス、NPO法人ら・し・さの役割、実際の業務内容などを解説しました。

終活アドバイザーになるためには、専門的な知識と技術、人々と深く関わるコミュニケーション能力が求められます。資格取得はその第一歩であり、その後も絶えず学び続け、経験を積むことが必要です。

終活アドバイザーとしてのキャリアは、他人の人生に深く関わることができ、その人生の質を向上させるために直接貢献できるやりがいのある仕事です。

これから終活アドバイザーを目指す方、または終活についての一般的な知識を深めたい方にとって、この記事が役立つ情報源となれば幸いです。最後に、終活は私たち自身にも関わるテーマであり、自分自身の終活について考え、計画することも忘れずに行いましょう。

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