孤独死の遺品整理の仕方をプロが解説!感染症への注意点と対策も伝授

孤独死現場の遺品整理をする写真 遺品整理

孤独死とは、自宅で一人で亡くなることを指します。この現象は、現代社会で増加しており、多くの人々がその影響を受けています。孤独死が発生すると、遺族や友人は悲しみだけでなく、遺品整理の重責も負うことになります。遺品整理は、故人が残した物品を整理し、適切に処分または分配するプロセスです。しかし、このプロセスは感情的にも物理的にも大変な作業です。

この記事では、孤独死の遺品整理の基本から、具体的なステップ、注意点、そしてサポートについて詳しく説明します。孤独死現場の遺品整理のプロセスをスムーズに進めるための実用的なガイダンスを提供することで、故人を偲びながら、その大切な遺品を適切に扱う手助けをします。

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孤独死が発生した現場の遺品整理は、注意をしないと感染症になったりして非常に危険です。ぜひ記事を読んでいただき、孤独死現場の遺品整理を成功させるようにして下さい!

孤独死の遺品整理の基本

孤独死の遺品整理は、孤独死した現場で故人が残した物品を整理し、適切に処分または分配する作業を指します。

ただし、孤独死現場ならではの注意点もありますので、この章では孤独死現場の遺品整理の特徴や自分たちで遺品整理を行うかどうか?の判断軸について解説していきます。

孤独死現場の遺品整理の特徴

通常の遺品整理の場合には、遺品の仕分けからスタートし、遺品の処分や買取の対応、そして部屋の清掃をすれば遺品整理を完了させることが可能です。※通常の遺品整理の進め方については、下記の記事を参考にしてみて下さい

しかし、孤独死現場の遺品整理となると注意点があります。それは「感染症や死臭への対策」です。

孤独死現場では、死体の腐敗の状況によって部屋に入ることが出来るかどうか?が変わります。例えば、死後数日で腐敗が進んでいないのであれば通常の遺品整理通りのプロセスで進めることが可能です。

しかし、死後数週間経過していて体液が床などに染み込んでいる場合には「特殊清掃」と呼ばれる特殊な清掃を行う必要があります。ここまで来ると自分たちだけで遺品整理を行うのは難しく、専門業者を呼んでの作業を依頼する方が良いでしょう。

孤独死現場を自分たちで遺品整理できるか?の判断基準

孤独死現場の遺品整理を自分たちで行えるか?の判断基準は、シンプルに「この部屋の状況下で、自分たちだけで遺品整理を行いたいと思うか?」です。

多くの場合死臭が漂っていたり、血液などの体液が滲み出ている現場の遺品整理をしたいとは思わないでしょう。その場合には特殊清掃をしてくれる専門業者に依頼して遺品整理を行う方が賢明です。

もし「死臭がとてもキツいけど、どうしても自分たちで遺品整理をしたい!」という場合には、特殊清掃業者に相談してみると良いでしょう。ただし、感染症対策は必ず行うようにして下さい。

しゅう
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私が見てきた依頼者様の中に、1名だけ「自分たちでも遺品整理をしたい!」と仰られる方がいました。その方は、自分で業務用のマスクや白い防護服を着用して遺品整理をしていました。

孤独死現場の遺品整理の流れ

それではここからは、孤独死現場の遺品整理の流れを見ていきたいと思います。

全体の流れ

  1. 情報収集:孤独死現場の状況を見て、自分たちで遺品整理を行うのか、それとも特殊清掃業者に依頼するのか?を決めましょう。先述のとおり、「自分たちで遺品整理を行うのは難しそう」と感じたならば業者に依頼します
  2. 家の持ち主に相談:孤独死現場の家の持ち主に相談して、部屋を原状回復すべきなのか?を確認します。場合によっては解体をした方が良い場合もありますので、部屋を次にどのように活用するのか?を聞いてみるのが良いでしょう。
  3. 業者に問い合わせ:もし自分たちで遺品整理が出来ない!となった場合には、業者に問い合わせを行いましょう。そして見積もりを取るようにして下さい
  4. 自分たちでまずは遺品整理:業者に依頼するにしても、まずは自分たちで遺品整理を行いましょう。貴重品や相続の手続きなどに必要なものを取り出します。ただし、死臭が強い場合で自分たちで遺品整理を行えない場合は除きます。
  5. 業者に作業してもらう:業者に孤独死現場の遺品整理を依頼した場合には、部屋に入らないとしても可能な限りは立ち会うようにしましょう。
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持ち家&一軒家の場合だと、リフォームをして暮らせるようにするよりも解体して土地を売る方が安いケースもありますので、状況に応じて判断すると良いでしょう!

孤独死現場の遺品整理に必要な道具や資材

孤独死現場で遺品整理を行う際には、下記のような道具や資材を揃えておくとスムーズに作業が進むでしょう。

  • ゴミ袋:大量のゴミ袋が必要です。異なる種類のアイテムを分別するために、色やサイズの異なるゴミ袋を用意すると便利です。
  • 手袋:清掃や整理作業中、手袋を着用して手を保護します。軍手やビニール手袋よりはゴム手袋の方がオススメです。
  • マスク:ホコリや異臭から自分自身を保護するため、マスクを着用します。多めに準備しておいて、適宜交換するようにしましょう。
  • 防護服:孤独死現場の状況が悪い場合には、防護服も着用して感染症に感染しないような対策をしましょう。
  • サーキュレーター:換気をして作業をする際に、自然の風が必ずしも吹いている訳ではありません。もし死臭のする現場であれば、サーキュレーターを活用して人工的に風を発生させると臭いが和らいで作業がしやすくなります。

ご紹介したような流れに沿って孤独死現場の遺品整理を進めることで、スムーズ作業を遂行できます。次のセクションでは、孤独死現場の遺品整理の注意点とアドバイスを解説します。

孤独死現場の遺品整理の注意点とアドバイス

孤独死現場の遺品整理は感情的にも物理的にも大変な作業です。以下に、孤独死現場の遺品整理中に注意すべき点と、その作業を円滑に進めるためのアドバイスをいくつか提供します。

感情的な問題への対処

孤独死現場の遺品整理は、故人を偲ぶ時間でもありますが、感情的な問題が表面化する可能性があります。故人の物を手放すことの難しさや、遺族間での意見の不一致などが生じることがあります。

  • アドバイス: 感情的な問題が生じた場合、遺族や関係者とのコミュニケーションを大切にしましょう。必要であれば、第三者(例:カウンセラーや療法士)の協力を得ることも検討してください。

遺品の価値の評価

故人が残した物の中には、価値のあるものが含まれている可能性があります。これには、貴金属、アンティーク、コレクタブルなどが含まれます。

  • アドバイス: 価値のある遺品は専門家に評価してもらいましょう。適切な価値評価を行うことで、遺品を適切に処分または分配する手助けになります。ただし、孤独死現場の場合、死臭が遺品に付着した場合には買取が難しくなります。

感染症への対策

孤独死現場の遺品整理は、孤独死した遺体から感染症を引き起こすようなウイルスが発生している可能性もあります。孤独死現場の遺品整理を自分たちで行う場合には、そのような状況にしっかり対策をしておきましょう。

  • アドバイス: ECサイトで防護服が販売されていますので、防護服を着用しての遺品整理を行いましょう。

これらの注意点とアドバイスを心に留めて、孤独死現場の遺品整理を円滑かつ適切に進める手助けにしてください。次のセクションでは、特殊清掃業者の選び方を解説します。

特殊清掃業者の選び方

孤独死の現場の遺品整理は、一般的な遺品整理とは異なり、専門的な技術と機材が必要です。以下は、孤独死現場の清掃をしてくれる特殊清掃業者を選ぶ際のポイントと注意事項を紹介します。

1. 経験と実績

孤独死現場の遺品整理を依頼する場合には、経験と実績のある特殊清掃業者を選びましょう。経験の浅い特殊清掃業者だと、死臭を取り切れない場合がありますので注意しましょう。

  • ポイント: 長年の経験と良好な実績を持つ業者を選びましょう。
  • 注意事項: 業者のウェブサイトや口コミを確認して、実績や過去の利用者の評価を参照してください。

2. 適切な機材と技術

特殊清掃を行う際には「オゾン脱臭機」と呼ばれるオゾンを利用して死臭を取り除いていきます。特殊清掃業者でオゾン脱臭機などの脱臭機を使用しない業者はいないと思いますが、念のため「どのように死臭を取るのですか?」と質問すると良いでしょう。

  • ポイント: 最新かつ適切な機材と技術を使用している業者を選びましょう。
  • 注意事項: 使用される機材や技術について、業者に具体的に尋ねてください。

3. 透明な費用構造

孤独死現場の遺品整理で特殊清掃を行う場合、通常の遺品整理よりも料金はどうしても高くなります。特殊清掃を依頼する場合にはお見積り書を作成してもらい、明確な料金のもとで依頼するようにしましょう。

  • ポイント: 費用構造が明確で、隠れた費用がない業者を選びましょう。
  • 注意事項: 見積もりを取得し、費用に関する詳細を確認してください。

下記には遺品整理と特殊清掃の料金相場を記載しますので、参考にしてみて下さい。

間取り遺品整理業者に依頼自分たちで遺品整理
1R/1K¥50,000 – ¥150,000¥10,000 – ¥80,000
1LDK¥100,000 – ¥300,000¥30,000 – ¥100,000
2DK/2LDK¥150,000 – ¥450,000¥50,000 – ¥120,000
3DK/3LDK¥200,000 – ¥600,000¥70,000 – ¥140,000
4DK/4LDK以上¥300,000 – ¥800,000¥90,000 – ¥160,000
間取り別の遺品整理の料金相場
項目費用相場補足
部屋の消臭¥30,000 – ¥150,000臭いの酷さと部屋の広さによって変動
体液の付いた遺品の処分¥10,000 – ¥150,000遺品の処分量によって変動
リフォーム要見積りリフォームの内容で変動
特殊清掃の料金相場

4. オプションサービス

特殊清掃は主に「体液がある箇所を除去し、死臭を取り除く」ことを行いますが、体液が付着した床や壁はリフォームをする必要があります。その際に、自社または協力業者でリフォームが出来るか?は依頼者にとってはワンストップで依頼できるので重要なポイントです。

  • ポイント: リフォーム含めて、依頼したい事が全て依頼できる業者を選びましょう。
  • 注意事項: 問い合わせ時や見積もりの段階で、業者に対応できるサービスについて聞いてみましょう。

これらのポイントと注意事項を参考にして、信頼性と専門性を兼ね備えた特殊清掃業者を選びましょう。適切な業者の選択は、孤独死の現場の適切な清掃と、故人の遺族の心の平和に大いに貢献します。

まとめ

この記事では、孤独死の遺品整理の進め方や注意点、特殊清掃業者の選び方をお伝えしてきました。遺品整理は、故人の遺族や友人にとって、感情的および物理的な負担が大きい作業ですが、適切な知識とサポートを利用することで、このプロセスをよりスムーズかつ適切に進めることができます。

最後に、この記事が孤独死の遺品整理のプロセスを理解し、適切に進める上での参考となることを願っています。遺品整理は故人を偲び、その遺志を尊重する大切なプロセスです。この記事のガイダンスを活用し、故人の遺品を適切に扱う手助けにしてください。

よくある質問

孤独死の遺品整理に関して、多くの人々が様々な疑問を抱えています。以下は、このトピックに関するよくある質問とその回答です。

Q1: 孤独死の遺品整理は自分で行うべきですか、それとも専門家に依頼すべきですか?

A1: 孤独死現場の状況によって判断すると良いでしょう。特に孤独死から時間が経過している現場で、体液が大量に滲み出ていたり、死臭が強烈な場合には専門業者(特殊清掃業者)に依頼することをオススメします。

Q2: 遺品整理にかかるコストはどれくらいですか?

A2: 遺品整理のコストは、自分で行う場合には1部屋2万円前後、業者に依頼する場合には7万円前後です。ただし、特殊清掃という特別な清掃を行う場合には、更に費用が必要になります。

Q3: 遺品整理中に見つかった貴重品はどのように処理すべきですか?

A3: 貴重品は、遺族や遺言に従って適切に分配するか、専門家に評価してもらい、適切な価値で売却することができます。ただし、売却をする場合には死臭が付着していると難しいケースが多いです。

Q4: 遺品整理後の住居の清掃はどのように行うべきですか?

A4: 住居の清掃は、遺品整理業者に依頼するか、自分で行うことができます。専門の清掃業者に依頼することで、徹底的な清掃が保証されます。

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