一人でも安心!おひとりさまのための終活費用ガイド

おひとりさまの終活の費用を気にする女性 終活

おひとりさまとは、一人で生活を送る人々のことを指します。最近では、一人暮らしの高齢者や独身者が増え、社会問題としても注目されています。

そんなおひとりさまの皆さんが抱える課題の一つが終活です。終活とは、「終末期の活動」の略で、一人一人が生きている間に、自分の人生の終わりに向けて準備を進めていく活動を指します。これには、遺言書の作成、葬儀や墓地の準備、財産分配の計画など、さまざまな要素が含まれます。

しかし、一人で生活を送っていると、家族や親しい友人が身近にいないため、これらの準備をどのように進めればいいのか、また、そのためにどの程度の費用が必要なのかを把握するのが難しくなります。特に費用については、準備を怠ると後で大きな負担となる可能性があります。

そこで、本記事では、おひとりさまが安心して終活を進められるよう、終活の基本的な知識から、具体的なステップ、必要な費用、節約のヒント、おひとりさま向けの終活サービスなど、幅広くご紹介していきます。

終活は決して悲しい話だけではありません。自分の意志を明確に伝え、後の世代へスムーズに引き継ぐことで、自分の人生をしっかりと結びつけることができます。ぜひ、本記事を参考に、安心して終活を進めていただければ幸いです。

終活ってなに?

さて、まず始めに「終活」とは何なのか、その基本的な定義と目的について詳しく解説します。

終活の定義

終活とは、「終末期の活動」を意味する言葉です。これは、自分自身の人生の終わりに向けて、必要な準備や手続きを行っていくことを指します。終活は自分だけでなく、残された家族や親しい人々にとっても、後の手続きをスムーズに進められるようにするための重要な活動です。

終活の目的

終活の目的は大きく分けて3つあります。

  1. 自分の意志を明確にする 人生の終わりに関する自分の意志をはっきりと決め、それを明示することです。これには、生前の医療に関する意向、葬儀の形式、財産の分配などが含まれます。
  2. 後の世代への負担を軽減する 終活を進めることで、自分が亡くなった後に残された家族や親しい人々の手間や負担を減らすことができます。例えば生前整理をすることで、自分が亡くなったあとの遺族たちの遺品整理の負担を軽減することが出来ます。
  3. 自分の人生を安心して終える 必要な準備や手続きを済ませておくことで、自分の人生を安心して、落ち着いて終えることができます。例えば相続をどうするか?を先に決めておくことで、余計な心配・不安が取り除かれます。

日本の法律や制度における終活の位置付け

日本では、終活に関する具体的な法律はまだ整備されていませんが、それぞれの終活の要素(遺言書の作成など)に関しては、民法や相続税法などの法律に基づき行われます。

また、社会保険や公的な支援制度も終活に関連します。たとえば、高齢者や障害者のための介護保険制度や、葬儀費用の一部を補助する公的な制度(地方自治体単位で支給)などがあります。

終活は、自分自身の人生を後世に引き継ぐための大切なプロセスです。自分が一人でも、しっかりと準備を進めることで、安心して生涯を終えることができます。次の章では終活に必要な基本的な費用について解説していきます。

しゅう
しゅう

終活は、「終末期の活動」を意味する言葉ですが、何歳からでも終活を行うことはOKですし、推奨されています。それは「自分が亡くなる瞬間は誰にも分からないから」です。興味のある方は、何歳であろうともスタートしてみると良いでしょう。

おひとりさまの終活に必要な基本的な費用

終活には、さまざまな手続きが必要で、その一つ一つにはそれぞれ費用が発生します。

ここでは、主なおひとりさまの終活にかかる費用の種類とその目安を解説します。

葬式の費用

まずは、多くの人が想像する葬式の費用についてです。葬式の形式や規模によって費用は大きく変わりますが、以下に主な種類とその平均的な費用を示します。

  1. 家族葬: 主に家族や親族のみで行う葬儀。平均的な費用は約100万円から300万円
  2. 一般葬: 親族や友人、知人など多くの人を招いて行う葬儀。平均的な費用は約300万円から500万円
  3. 直葬: 葬儀の形式を省略し、すぐに火葬を行うもの。平均的な費用は約10万円から50万円

この他に、葬儀の際に生じる慰労料や仏具の費用なども考慮に入れる必要があります。

葬儀の平均単価は年々下がってきており、背景には簡素な葬儀を望む方が増えている事が挙げられます。特におひとりさまの場合、独り身であるという特徴から「簡素に、小さい葬儀で十分」と考えられる方が多くなっています。

直葬であれば10万円未満で葬儀を行っているところもありますので、探しておくと良いでしょう。※日本では火葬をしないと違法になってしまうので、葬儀(火葬)を避ける事ができません。したがって、どんなにシンプルな葬儀を選んだとしても10万円前後は必要だと考えておくと良いでしょう

墓地の費用

次に、墓地の費用です。これは墓地の場所や規模、石碑の材質などによって変わりますが、都市部の場合は一坪(約3.3平方メートル)で数百万円から数千万円、地方の場合は一坪で数十万円から数百万円程度が目安とされています。また、墓地を維持するための年間の管理費も必要です。

最近では共同墓地といった形で他の方と墓地を共有する形も出てきています。費用は自分だけのお墓を作るよりも安く抑えられるため人気になっているようです。

また「墓地は不要」と考える方は、散骨をする方も増えています。火葬をして骨だけになった骨壷の中身は私有地であれば撒いても違法にはなりません(埋めると違法です)。

散骨は違法ではありません。
しかし、死体等遺棄罪(刑法190条)と墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法)があり、死体等遺棄罪では、「遺骨」を「遺棄」すると3年以下の懲役刑となると言う法律が有ります。                                      
ただし遺灰を土中に埋めることなく、遺骨も粉末化するなどして供養のために撒き、信仰の自由もありますのでモラルを守った散骨方法であれば、上記の法律にはあたらないと言うことから、法務省は非公式ながら、1998年6月に旧厚生省が諮問した懇談会での見解で散骨は、希望するものが相当の節度をもって行う場合は、処罰の対象としない。今後は社会的な取り決めが設けられる事が望ましい。と言うことが現在国の見解とされています。

そして「節度を持って」というのは、この場合「骨を遺骨とわからないような状態にする」という意味も含まれております。つまり散骨の際には、ご遺骨を細かいパウダー状にしたりして(粉骨の理由にあたっては下段の個人で散骨する場合の注意点で書いてます)一般的に散骨業者が行っているような方法でする必要があるということです。また節度を持って散骨するならば個人での自然葬も特別な許可なく可能と言うこでもあります。

次に墓埋法では「焼骨の埋蔵は、墓地以外区域にはしてはならない」と決まっています。この場合の「埋蔵」とは、土中に埋めることです。つまり、墓地以外の土中に焼骨を埋めたり、土を遺灰の上に掛けたりする行為は墓地埋蔵法違反で千円以下の罰金又は拘留若しくは科料となります。よって、「墓地内の自然葬という方法であれば別ですが、土中に埋める方法での散骨は原則的にできません」

ライフサポートするが」より引用

法事の費用

法事は、亡くなった人の霊を弔うための儀式で、仏教の慣習に基づきます。法事には初七日、49日、1年、3年、7年などの期間で行われるものがあり、それぞれに費用が発生します。平均的な費用は、初七日が約10万円から20万円、49日が約30万円から50万円、1年・3年・7年法事がそれぞれ約50万円から100万円が目安となります。

法事を行わないとしても違法にはなりませんので、不要なのであれば終活ノートやエンディングノートに「法事は行わないで良いです」と記載しておくのも良いでしょう。

相続税や遺産分割、遺言書の費用

最後に、相続税遺産分割遺言書の費用についてです。これは相続する財産の価値によって異なります。また、遺産分割や遺言書の際に弁護士・税理士などの士業を利用する場合も費用が発生します。

相続や生前贈与などは士業に依頼なくてもインターネットで調べて自分で行う事ができますが、遺言書に関しては違います。

もちろん自分だけで、無料で書ける自筆遺言もありますが、遺言書は法的な拘束力を伴わせる事が重要ですので、公証人に依頼して作成してもらう公正証書遺言が法的な拘束力がしっかり発揮される確率が高いので費用をかけてでも行うことをオススメします。

生前整理の費用

生前整理は自分で行う分には費用はかかりませんが(ただし粗大ゴミを捨てる場合には自治体によって有料)、生前整理業者に依頼する場合には費用がかかってしまいます。

生前整理の費用の詳細は下記の記事を参照してもらえればと思いますが、簡単にいうと1部屋あたり6万円〜10万円はかかってきます。

これらの費用は全て予想されるもので、他にもさまざまな終活費用が存在します。それらの費用についても考慮に入れて、自分の終活計画を進めることが大切です。

しゅう
しゅう

葬儀やお墓、法事など自分のこだわりや好みが出るものは、しっかりと家族に生前に共有しておくことをオススメします。「葬儀は一番安いものでいい!」「お墓はいらない!」など意思を伝えておくことが非常に大切です。

おひとりさま終活の具体的なステップ

それでは、おひとりさま終活には具体的にどのようなステップが必要なのかを見ていきましょう。

ただし、これらのステップは一例であり、個々の状況や希望に応じて順番や内容は調整して下さい。

ステップ1:終活について理解する

最初に、終活が何であるか、なぜ必要なのかを理解することが大切です。終活の目的や必要な手続き、それぞれの費用について調査し、理解を深めましょう。

ステップ2:終活の計画を立てる

次に、自分自身の終活の計画を立てます。ここでは、自分がどのような葬式を希望するか、墓地はどうするか、遺産はどのように分割するかなどを考えます。また、これらのことにかかる費用も大まかに見積もりましょう。

ステップ3:遺言書を作成する

自分の財産の分配や、生前の医療に関する意志などを明確にするためには、遺言書の作成が推奨されます。遺言書は自筆でも可能ですが、公正証書遺言とすることで法的な効力を確実に持つことができます。

ただし、あくまで「推奨」ですので、不要だと思うのであれば遺言書の作成はスキップして構いません。

ステップ4:葬式の準備をする

葬式の形式や規模、執り行う場所などを決定し、必要なら葬儀社と事前に打ち合わせをします。また、参列者に対する通知方法も考えておきましょう。

おひとりさまの終活だからといって、小規模である必要もないですし、逆に一昔前のように羽振りよく大規模で行う必要はありません。葬儀の規模は自分の意思で決めて問題ありませんので、おひとりさまの終活費用を抑えたいのであれば、小さいサイズの葬儀を選ぶと良いでしょう。

ステップ5:墓地の手配をする

既に家族墓がある場合はその使用可否を確認し、ない場合は新しく墓地を手配します。墓地の場所や規模、石碑の種類などを決め、必要なら墓地の管理会社とも契約します。

葬儀同様、一昔前のように先祖代々のお墓に入らないといけない!という縛りはもはやありません。自分の墓地に対する価値観に照らし合わせて、自分の好みの墓地を手配するようにしましょう。

ステップ6:生前整理を行う

自分が亡くなった後に残る物品や財産の整理も大切です。これには、不要な物の処分や、貴重品や重要な書類の整理が含まれます。

自分が亡くなったあとに行われる遺品整理で大変なのは、①大型家具・家電の処分②価値があるもの・ないものの仕分け、の2点です。生前整理のうちに処分できる大型家具や家電は対処しておき、また勝ちがあるものは家族に分かりやすい形で伝えておいたり、区分けしておくと良いでしょう。

以上がおひとりさま終活の具体的なステップです。これらを踏まえて、自分自身の終活を計画し、行動に移しましょう。

しゅう
しゅう

今は随分と自分の意思を葬儀・お墓などに反映できる時代になりました。自由度があるゆえに迷うことも多いかと思いますが、自分らしく終末を迎えられる!と前向きに捉えて、おひとりさま終末を楽しむのが良いでしょう。

おひとりさま終活のための費用節約のヒント

おひとりさま終活にかかる費用は、一見すると高額に思えるかもしれません。

しかし、事前に計画を立てることで、経済的な負担を軽減することが可能です。以下に、おひとりさま終活費用の節約のためのヒントをいくつか提案します。

ヒント1:早期に準備を始める

終活は、早期に準備を始めることがコスト節約につながります。時間に余裕があると、より良い選択をすることが可能であり、また、長期にわたって費用を分散することができます。

また生前整理が分かりやすいですが、一気に短期間で処分しようとすると生前整理業者に依頼しないといけなくなって費用が高額になるので、少しずつ生前整理を進める事で費用を抑える事ができます。

ヒント2:葬式の形式を見直す

一般的に葬式は数百万円の費用がかかるため、おひとりさま終活費用の大部分を占めます。そのため、葬式の形式を見直すことで大幅な節約につながる場合があります

例えば、直葬を選択することやインターネットの格安葬儀のサービスを利用する事などが挙げられます。インターネットの格安葬儀社が提供する直葬のプランは10万円を切るので、一般的な100万円以上かかる葬儀と比較すると1/10も費用が抑えられます。

ヒント3:墓地の選択を工夫する

おひとりさまの終活費用を抑えるヒントの3つ目は、墓地の見直しです。

墓地にも高額な費用がかかることがありますが、共同墓地を選択したり、遠くの地方に墓地を持つなどの工夫により、費用を抑えることが可能です。また散骨も節度を守って行えば合法ではありますので、費用を抑えたい方の選択肢の一つになるでしょう。

ヒント4:遺言書を自筆で作成する

遺言書は、公正証書遺言とすると費用がかかりますが、自筆で作成することで費用を節約することができます。ただし、自筆遺言の場合、内容が明確でないとトラブルの原因になることもあるため、注意が必要です。

ヒント5:生前整理を積極的に行う

生前整理を積極的に行うことで、自分が亡くなった後の整理費用や遺品整理の費用を減らすことができます。また、不要な物を売却することで、終活費用の一部を賄うことも可能です。

これらのヒントを活用し、終活の費用を計画的に節約することが大切です。自分にとって最適な方法を見つけ、余裕を持って終活を進めていきましょう。

しゅう
しゅう

不要なものを買取してもらうことで、おひとりさま終末の費用に充てられるのでオススメです。最近はメルカリやPayPayフリマなどのフリマアプリの登場で個人でも簡単・気軽にものを売ることが出来るようになったので、ぜひチャレンジしてみて下さい!

第五章:おひとりさま向けの終活サービス

一人暮らしや遠方の家族がいる場合、終活に対する不安は増えるかもしれません。

しかし、最近では終活を支援するサービスが数多く提供されています。特に、おひとりさま向けの終活サービスはその不安を和らげる助けになります。

終活カウンセラー

終活カウンセラーは、終活に関する専門的なアドバイスを提供します。終活の計画立案から、具体的な手続きの支援まで、一人一人の状況に合わせたサポートを行います。終活に関する知識がない方や、何から始めたら良いかわからない方にとって、信頼できるパートナーとなります。

自治体やNPOの終活イベント

最近では自治体やNPOが毎週のように終活イベントを開催してくれていますので、イベントに参加する事で終活をより身近に感じることができるようになります。

終活イベントに参加する事は、同じ境遇の方に出会えるチャンスとも言えますので、ぜひ参加してみて下さい。

ファイナンシャルプランナー

終活に特化している訳ではありませんが、ファイナンシャルプランナーに相談をして終末期のお金の心配を相談してみるのも一つの手です。

おひとりさまの終活には費用がかかりますので、費用をいかに捻出するか?費用をいかに節約するか?を相談してみると良いでしょう。

事前葬儀契約

事前葬儀契約は、自分が亡くなったときの葬儀の内容や費用を、生前に決めておくサービスです。これにより、亡くなった後の家族の負担を軽減できます。

これらのサービスを利用することで、おひとりさまでも安心して終活を進めることができます。自分に合ったサービスを見つけて、スムーズな終活を実現しましょう。

まとめ

これまでの記事を通して、おひとりさま終活とその費用、ステップ、節約のヒント、そしておひとりさま向けの終活サービスについて詳しく見てきました。終活は、人生の終わりを迎えるための大切なステップであり、早めに準備を始めることで安心して自分らしい生活を送ることが可能になります。

終活は一人で行うものではなく、周囲の人々や専門的なサービスを利用しながら進めていきましょう。また、自分にとって一番良い方法を選ぶことが何よりも重要です。

この記事が皆様の終活計画の一助となり、最後の人生をより良く過ごすための参考になれば幸いです。それぞれの生活が豊かで、満足のいくものであることを心から願っています。

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