「無料回収」のチラシは違法なの?業界のプロが法律も含めて徹底解説!

無料回収のチラシを撒いて作業をする業者の写真 生前整理

こんにちは!しゅうです。今回は「無料回収」と書かれたチラシは違法なの?というテーマで記事を書いていきたいと思います。

皆さんも過去に一度は郵便ポストに「無料回収します」という不用品回収業者のチラシが入っていたことがあると思います(私もあります)。その際、ゴミの法律に少し詳しい方は「あれ?これって違法じゃないの?」と思う方もいるでしょう。

今回は、そんな素朴な疑問にプロが回答していきたいと思います!自分が犯罪者にならないためにも、ぜひ最後まで学んでいってください!

しゅう
しゅう

私の場合、多い月では月1度の頻度で「無料回収」のチラシが入っている事があります。皆さんも経験のある事だと思いますので、ぜひ最後まで読んでいってくださいね!

「無料回収」のチラシの内容とは?

そもそも「無料回収」のチラシの内容を見たこと無い方もいらっしゃるかと思いますので、無料回収のチラシの内容を解説したいと思います。

環境省のHPで注意喚起をしている違法な無料回収の写真
環境省が注意喚起をしている写真

自宅に回収に来るケース

無料回収のチラシで多いのが、この自宅に回収に来るパターンです。このパターンでは、チラシに「◯◯日の▲▲時に、この地区に無料回収に来ますので、家の前に下記の品を出しておいて下さい」というような記載がされています。

無料回収品の内容として多いのは、冷蔵庫・洗濯機・ギターといった家電製品や、フライパン・食器といった台所用品です。

どこかに持っていくケース

もう1つの無料回収のパターンとしては、どこかの敷地に持っていくと無料で回収してくれるというものです。このパターンでは、チラシに「■■まで持ってきてくれれば、不要なものを無料で引き取ります」といった記載がされています。

このパターンでは比較的幅広いものを引き取ってくれる事が多く、プラスチックケースやぬいぐるみ等も対象になることが多いようです。

しゅう
しゅう

私の経験としては、最近はもっぱら無料回収に来ます!というチラシが10割を占めるような印象です。

「無料回収」のチラシは違法なの?

無料回収のチラシの内容が理解できたところで、無料回収のチラシが違法なのか?という点を解説していきましょう。

結論からいうと、ケースバイケースだと言えます。ただ、違法のケースが殆どですので気をつける必要があります。下記のケースは違法ではなく、合法の無料回収のケースを紹介します。

専ら物は違法ではない

①新聞などの古紙②古着などの古繊維③アルミ缶などの古銅を含む鉄くず④空き瓶類の4品目は専ら物(もっぱらぶつ)と呼ばれており、これらは許可なしで無料回収することが可能です。

したがって、これらに限定した上で無料回収を行うのであれば違法ではないと言えます。

鉄くずの回収に関しては下記の記事で詳しく解説していますが、専ら物は専ら物だけで回収をしてもらう必要があります。

つまり、例えばエアコンや冷蔵庫の中にも鉄くずは含まれている訳ですが、エアコンを無料回収しても良いか?というとNGとなります。あくまで「鉄くずだけを回収するならOK」という事ですので、解釈を間違えないようにしましょう。

しゅう
しゅう

この「鉄くずだけ」というポイントは、勝手に拡大解釈されがちですので、気をつけるようにしましょう。

古物商の許可を持った上で買取するならOK

無料回収だとしても、買取をするのであればOKです。ただし、次章で解説はしますが、ゴミと買取をあわせて無料回収というのはNGで違法になりますので注意しましょう。古物商の許可で買取して良いのは、あくまで商品のみですので、気をつけて下さい。

こんな「無料回収」は違法になる!

さて、前章では無料回収でも違法ではないケースを紹介しましたが、ここからは「こんな無料回収は違法になる!」というテーマでお伝えします。

一見すると良さそうな方法ですが、法律面としてはNGですので注意しましょう!

買取品とゴミを合わせて無料回収

前章でもお伝えしましたが、買取とゴミを合わせて0円買取(無料回収)は違法です。※1円回収でも違法です。とにかく「ゴミを買取する」という考えが古物商の概念から外れます

古物商の許可がある理由は、あくまで買取したものを品物として再流通させる為ですので、「捨てるしかないゴミを買取する」のはNGとなります。そして、ゴミの回収には「一般廃棄物収集運搬許可」が必要になり、許可のない回収は違法になるので注意しましょう。

一般廃棄物収集運搬許可については、下記の記事で詳しく解説しています。

所有権移転で無料回収

不用品回収でよく利用されるのが、「あなたのゴミを僕のものにしましょう。そしたら、僕がゴミを自由に処分して良いですよね」という方法です。業界的には「所有権移転の方法」と呼ばれている方法ですが、これも違法になります。

先ほども記載した通り、ゴミの回収には一般廃棄物収集運搬許可が必要になりますので、この方法はNGとなります。※ただし、理屈としては通る話なのでグレーと言えばグレーですし、裁判例としてNGが出ている訳ではありません

敷地に持ってきたら無料回収

業者さんの敷地に持ってきたら無料回収します!というチラシもたまに見かけます。これも、ゴミではなく価値あるものとして買取するのであればOKですが、そうでないゴミとしての回収となると違法となりますので注意しましょう!

しゅう
しゅう

「ゴミを無料回収」はすべてNGですので、産業廃棄物ではないゴミを処分するには一般廃棄物収集運搬許可が必要だと覚えておくのが分かりやすいでしょう。

ゴミは排出者責任があるので注意!

ここまで見てきましたが、自分はゴミがどうなるか?は関係ない・・・と思っている方も多いでしょう。しかし、実はゴミは排出者責任がありますので、ゴミを排出した人にも責任があると言えます。

違法な不用品回収業者を利用したゴミの排出者が逮捕されたという話を聞いたことは未だないですが、法律に則って処分するのは大事なことだと言えるでしょう。

「無料回収」という魅力的な言葉に惑わされず、ぜひ法律に則ってゴミは処分するようにしましょう!

まとめ

今回は、「無料回収」のチラシは違法なの?というテーマで記事を書いてきました。記事を読んで頂いて、無料回収出来ることもあるけれど、殆どの場合では無料回収は難しいので違法に該当するケースが多いと理解頂けたのではないでしょうか?

「無料回収」という言葉自体は非常に魅力的な言葉ではありますが、自分が違法行為に関わらないように気をつけて頂くとともに、トラブルに巻き込まれないように注意しましょう。

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