海洋葬って何?これを読めば費用や注意点などすべてが分かる!

海洋葬の様子 葬儀

近年、伝統的な葬儀の形式とは異なる方法として、「海洋葬」が注目されています。この記事では、海洋葬についての基本的な知識をわかりやすく紹介し、初心者の方でも安心して理解できるように構成されています。

まず、「海洋葬」とは何かという基本的な疑問から、それを選ぶメリットやデメリット、さらには選ぶ際の注意点までを網羅的に説明していきます。特に重要な点や初心者がつまづきやすい部分には太字を使用して、見落としのないようにしています。

葬儀は故人を偲び、その人生を讃える大切な儀式です。選ぶ方法は一つではありません。海洋葬についての知識を深め、故人の意志や家族の意向に最も適した方法を選べるようになることを願っています。

次章では、海洋葬の基本的な定義やその起源、歴史的背景について詳しく説明していきます。

しゅう
しゅう

私が亡くなった場合の埋葬方法の1つとして、かなり有力候補になっているのが海洋葬(海洋散骨)です。ぜひ記事を読んで、海洋葬の全容を理解頂ければ幸いです!

海洋葬とは?

海洋葬が一般的に注目を浴びるようになってきた中、多くの方がこの方法についての正確な知識を持っていないかもしれません。この章では、海洋葬の基本的な定義やその起源、歴史的背景について解説します。

基本的な定義

海洋葬とは、故人の遺灰を海に撒くことを中心とした葬儀のことを指します。これにより、故人は大海とともに永遠の安息を迎えるとされます。この方法は、環境にやさしい葬儀としても知られ、土地を必要としないため、都市部での墓地の不足などの問題にも一石を投じる存在となっています。

起源と歴史的背景

海洋葬の起源は古く、海洋民族や島国の文化において、死者を海に返す習慣がありました。この習慣は、海が生活の源であり、生と死のサイクルの一部として考えられていたことが背景にあります。近年では、都市化の進行や墓地の問題、そして環境意識の高まりから、新たな葬儀の形として再評価されてきました。

また海、つまり自然に還ることができるということで、自然が好きな人にとっては従来のお墓に入るよりも自分に合った埋葬方法だと言えるでしょう。

環境との関わり

一般的な墓地葬とは異なり、海洋葬は特定の墓地を必要としません。そのため、土地の有効活用や墓地不足の問題にも寄与しています。さらに、天然の要素として海に故人の遺灰を返すことは、自然の一部としての回帰を感じることができ、多くの人々にとって心地良い選択となっています。

海洋葬は違法ではないの?

確かに日本国内の墓埋葬法では、

第四条 埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行つてはならない。

墓地、埋葬等に関する法律(昭和二十三年法律第四十八号)

上記のように埋葬に関しては墓地以外に行っていけないと定められています。

ただ、法務省が「葬送のひとつとして節度を持って行われる限り、宇宙葬のような自然葬は遺骨遺棄罪にはあたらない」と見解を述べた過去があり、違法ではないといえます。


次章では、なぜ海洋葬が選ばれるのか、そのメリットや背景について詳しく探っていきます。

なぜ海洋葬が選ばれるのか?

海洋葬が多くの人々に選ばれるようになった背景には、様々な背景があります。この章では、その主な理由や背景を探っていきます。

環境への配慮

多くの人々が環境問題に敏感になってきた現代、伝統的な墓地葬は都市部を中心に場所を取るという問題が指摘されています。一方、海洋葬は墓地を必要としないため、土地の有効活用や環境保全に貢献しています。

空間的な制約

都市部の墓地不足は深刻化しており、新しい墓地を確保するのが難しくなっています。この空間的な制約に対する解決策として、多くの家族が海洋葬を選択しています。

故人の意向や家族の考え

近年、生前葬や自分らしい葬儀を望む人が増えてきました。その中で、自然に帰る形として、あるいはシンプルな葬儀を希望する人の中には、海洋葬を選ぶ人も多くいます。また、家族間でのコンセンサスを得やすい方法としても選ばれることがあります。

自然に還るという意味では、「自然葬」という言葉もあります。下記に自然葬について詳しい記事がありますので、興味があればご覧ください。

費用の安さ

お墓に入るとお墓を建てる費用や管理する費用がかかってきてしまいますが、海洋葬であれば管理費がかからないので経済的な方法であるとも言えます。特に管理費が不要な点は、遺族たちへの負担を減らすことが出来るという点でも魅力的でしょう。

しゅう
しゅう

通常のお墓だと、管理費が永遠にかかってくるので、それが私は好きではありません。1度だけ支払えばOKの海洋葬は、そういう点において魅力的です!


次章では、海洋葬を行う際の手続きや、セレモニーの一般的な流れ、注意点について詳しく説明していきます。

海洋葬の手続きと流れ

海洋葬を検討する中で、どのような手続きが必要なのか、また実際のセレモニーはどのように行われるのか、初めての方には不安や疑問が多いかと思います。この章では、手続きの基本からセレモニーの一般的な流れまでを詳しく解説します。

手続きの基本

  1. 葬儀社の選定: まずは、海洋葬を行う葬儀社を選びます。専門的に海洋葬をサポートする葬儀社も存在しますので、事前にリサーチをして信頼できる会社を選ぶことが大切です。
  2. 日程や場所の調整: 葬儀社とともに、故人の遺灰を撒く日程や場所を決めます。
  3. 必要な書類の提出: 海洋葬には特定の書類が必要となる場合があります。葬儀社の指示に従い、必要な書類を準備・提出します。

海洋葬の一般的な流れ

  1. 船への乗船: 指定された日時に、家族や参列者は専用の船に乗船します。
  2. 遺灰の撒布: 船が適切な位置に到達したら、故人の遺灰を海に撒きます。この際、お経をあげたり、故人の思い出を語る時間を持つこともあります。
  3. 故人を偲ぶ時間: 遺灰を撒いた後は、故人を偲ぶ時間を持ちます。家族や友人が一言ずつ言葉をかけることが一般的です。
  4. 船の帰航: セレモニーが終わったら、船は出港地に戻ります。

ここで紹介した例は、1つの家族だけで行われていますが、複数の遺族が船に乗り込み合同で散骨を行うこともあります。

注意点

  • 天候の影響: 海洋葬は天候に影響を受けやすいため、予定された日に実施できない場合があります。その際の代替日など、事前に葬儀社との確認が必要です。
  • 遺灰の取り扱い: 遺灰を撒く際のマナーや手順について、葬儀社のスタッフからの指示をしっかりと受けるようにしましょう。

海洋葬の料金相場

海洋葬の料金相場については、貸し切りで散骨をする、合同で散骨をする、代理で散骨をしてもらうの3つの種類で変わってきます。下記にはそれぞれの費用相場と海洋葬を依頼できる具体的な葬儀社を表で紹介します

貸切散骨合同散骨代理散骨
費用相場15〜30万円10〜17万円3〜7万円
注意点最も費用が高い他の家族と一緒になる散骨に立ち会えない
葬儀社の例ファミリー散骨プラン
貸切チャーター散骨プラン
合同乗船散骨プラン
合同散骨プラン
代理散骨プラン
委託代行散骨プラン
海洋葬のプラン別の料金相場

次章では、海洋葬のメリットとデメリットについて詳しく探っていきます。

海洋葬のメリットとデメリット

海洋葬は、伝統的な墓地葬とは異なる特長を持ち、多くの人々に選ばれています。しかし、全ての人にとって最適な方法とは限りません。ここでは、海洋葬のメリットとデメリットを詳しく検討していきます。

海洋葬のメリット

  1. 環境への負担軽減: 土地の消費がないため、墓地不足の問題や環境保護の観点から見ても優れています。
  2. シンプルで堅苦しさが少ない: 一般的な葬儀のような形式や様式にとらわれず、シンプルに故人を送り出すことができます。
  3. コストの削減: 墓地の維持費や年間の管理費が発生しないため、長期的なコストを削減することが可能です。
  4. 故人の意向に合った形式: 自然に帰ることを希望する故人の意向を尊重する形として選べます。

海洋葬のデメリット

  1. 訪問する場所が特定しづらい: 海洋葬の場合、故人を訪れる具体的な場所が存在しないため、供養の場所としての具体性が減少します。※基本的に墓地に訪れるようなことは出来ないと考えた方が良いでしょう
  2. 天候や海の状況に左右される: 悪天候や海の状況によっては、予定していた日に葬儀を行えないことがあります。
  3. 後世への継承が難しい: 伝統的な墓と違い、子孫が祖先を偲ぶ場所として継承することが難しくなる可能性があります。
しゅう
しゅう

後世に継承できない点について、私は気にしませんが、この点が人によって考え方が割れそうな点だと思っています。


これらのメリットとデメリットを総合的に考慮し、自身や家族の価値観、故人の意向に合わせて最も適切な方法を選択することが大切です。次章では、海洋葬の実際の体験談や感想について触れていきます。

海洋葬を行うに当たって事前に準備すべきこと

海洋葬を進めるにあたって、セレモニー当日に混乱やトラブルが起きないように、しっかりとした事前準備が必要です。ここでは、海洋葬をスムーズに行うための重要な準備ポイントを取り上げます。

故人との話し合い

  1. 故人の意向の確認: 可能な限り生前に故人の意向を確認し、海洋葬を希望しているかをしっかりと確認してください。
  2. セレモニーの希望: 故人が海洋葬に特別な希望や要望がある場合、それを事前にリストアップしておきましょう。

葬儀社との打ち合わせ

  1. 専門の葬儀社の選定: 海洋葬を専門としている葬儀社を選ぶことで、スムーズな手続きやセレモニーの進行が期待できます。
  2. 日程や場所の確認: 葬儀社との打ち合わせ時に、日程や場所をしっかりと決め、天候や海の状態に左右されないような計画を立ててください。

必要書類の準備

  • 必要な書類: 海洋葬を行うに当たって必要な書類が葬儀社から提示された場合には、指示通りに書類を準備するようにしましょう。
  • 遺言書の確認: 故人が遺言書を残している場合、それに関連する手続きや要望についても確認しておく必要があります。

参列者への情報共有

  • ドレスコードやマナーの共有: 海洋葬は特定の場所で行われるため、参列者には適切なドレスコードやマナーを事前に伝えておくと良いでしょう。通常のお墓への埋葬と違って、カジュアルな服装で行うことも多いようです。
  • 当日のスケジュール共有: 当日の流れやスケジュールを参列者と共有して、時間の遅延や混乱を避けるための配慮が必要です。

事前の準備が進んだら、いよいよセレモニーの日を迎えることとなります。しっかりとした計画と共に、故人を偲ぶ大切な時間を過ごしてください。次章では、実際の海洋葬の体験談や感想について紹介していきます。

海洋葬を行った体験談を紹介!

ここからは実際に海洋葬を行った2名の方の体験談をご紹介したいと思います。どんな様子だったのか?のイメージを掴んでもらえたら嬉しいです。

体験談1: 葉山の海での感動的な別れ

私たちは、父が生前「海が大好きだったから、最後は海に還りたい」という希望を聞いていたので、葉山の海で海洋葬を選びました。準備を始めた頃、何から手をつければ良いのか分からない不安がありましたが、葬儀社のスタッフが丁寧に手続きや流れを説明してくれ、心強く感じました。

当日、穏やかな天気に恵まれ、海は静かで美しい青をしていました。船上から、家族で父の遺灰を海に散骨。遺灰がゆっくりと広がっていく様子を見ていると、自然の中に父が還ることの大切さ、美しさを感じました。

終わった後、家族みんなで父の好きだった歌を歌い、彼の思い出話をしながら涙しました。海洋葬は私たち家族にとって、最も感動的で特別な葬儀となりました。

体験談2: 沖縄のサンゴの海へ

母は沖縄出身で、若い頃に沖縄の海で潜るのが大好きでした。彼女の死後、家族で彼女の生まれ故郷、沖縄で海洋葬をすることを決意しました。

葬儀社に相談すると、沖縄の特定の地域での海洋葬が可能であることを知りました。サンゴの海での散骨は、母にとって最もふさわしい場所でした。

当日、サンゴ礁が広がる海上で、家族だけの小さなセレモニーを行いました。透明度が高い海の中に、母の遺灰が白い線を描きながら沈んでいくのを見て、母がこの美しい海に帰っていったと実感しました。それは、彼女の人生が一周して、最初の場所へ帰ったような感覚でした。

この経験を通して、私たち家族は母の生き様や愛していた場所の価値を改めて感じることができました。


海洋葬は、故人の願いや思い出を大切にしながら、最後の別れを迎えるための方法として、多くの人々に選ばれています。上記で紹介した体験談が参考になれば幸いです。

海洋葬を選ぶ際の注意点

海洋葬は故人を偲び、その魂を大海に返すという独特の方法です。しかし、その実施に当たっては、特定の注意点があります。ここでは、海洋葬を選ぶ際に気をつけるべき点を詳しく解説していきます。

葬儀社の選定

  • 実績や評価の確認: 葬儀社の実績や評価を確認することで、安心して依頼することができます。
  • コストの透明性: 葬儀社によっては、隠れた費用が発生する場合があります。初めから詳しい見積もりを求め、コストの透明性を確認しましょう。

法的・環境的制約

  • 地域の規制: すべての海域で海洋葬が行えるわけではありません。指定された海域でしか行えない場合が多いので、葬儀社と一緒に確認することが重要です。
  • 環境保護: 大自然の中での葬儀となるため、環境に配慮した方法で進める必要があります。具体的には、故人の遺骨を直接海に散骨する際、生分解性の容器を使用するなどの配慮が求められます。

参列者の健康や安全

  • 船酔いの対策: 船に乗ることが苦手な参列者もいるかもしれません。船酔いの対策や、船に乗らずに参列できる方法も考慮してください。
  • 安全措置: 天候や海の状態によっては、セレモニーが難しい場合があります。安全第一を考慮し、場合によっては日程の変更などの対応が必要となることを理解しておくことが大切です。

海洋葬を選ぶ際の注意点を理解し、適切な準備と配慮を持って進めることで、故人を偲ぶ大切なセレモニーを心温まるものとして実現できるでしょう。次の章では、海洋葬の代わりとなる葬儀方法や選択肢について探ることとします。

まとめ

本記事を通して、海洋葬についての詳しい情報とその特徴、進め方について学んできました。海洋葬は、故人を自然に還す美しい方法として、多くの人々から選ばれるようになってきています。

  • 海洋葬の魅力: 自然との一体感や、故人を広大な海に返すという考え方は、多くの人々にとって心温まるセレモニーとなります。
  • 手続きと流れ: 海洋葬は特有の手続きや流れがありますが、適切な葬儀社と協力することで、スムーズに進めることができます。
  • 事前の準備: 法的、環境的な制約や参列者の健康、安全面を考慮し、きちんとした準備が必要です。
  • 注意点: 選ぶ際の注意点や葬儀社の選定、法的な制約なども考慮することで、故人を偲ぶ大切なセレモニーを実現することができます。

最後に、海洋葬を選ぶ際は、故人の意思や家族、親しい人々の意見を尊重しながら、最善の方法を選択することが大切です。どの方法を選ぶにせよ、故人を心から偲び、送り出すことが何よりの尊厳となるでしょう。

海洋葬に関するよくある質問

海洋葬に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1: 海洋葬とは、具体的にどのような流れで行われるのですか?

A: 海洋葬の基本的な流れは、まず故人の遺灰を特製の容器や袋に入れ、船上から海にそっと散骨します。船上では、故人を偲ぶセレモニーや祈りの時間を持つことが一般的です。

Q2: 海洋葬の際、参列者は何か持ってくるものはありますか?

A: 基本的には特別に持ってくるものはありませんが、海上の天候や波の影響を受けやすいので、普段よりも厚着をする、または帽子・サングラスなどの対策をしてくるとよいでしょう。

Q3: 法的に問題はないのでしょうか?

A: 一般的に、適切な場所で適切な方法で行われれば、海洋葬は法的に認められています。しかし、具体的な場所や手法には制約がある場合がありますので、葬儀社や自治体と事前に相談することが重要です。

Q4: 費用はどれくらいかかるのですか?

A: 海洋葬の費用は、利用する葬儀社やサービス内容、使用する船によって異なります。事前に複数の葬儀社から見積もりを取ることで、予算に合わせたプランを選ぶことができます。

Q5: 海洋葬後、墓地は必要ですか?

A: 海洋葬を行った場合、遺灰は海に散骨されるので、伝統的な墓地を設ける必要はありません。しかし、家族や親しい人々が故人を偲ぶための場所として、記念碑やモニュメントを設置することも一般的です。

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