「無縁仏」という言葉を一度も耳にしたことがありますか?
無縁仏は核家族化や少子高齢化の時代で問題・話題になっている言葉です。
この記事では「無縁仏とはなにか?」というテーマで無縁仏について解説していきます。「無縁仏」という言葉の意味、背景、そしてその問題を避けるための方法について初心者でも分かりやすいように解説していきますので、ぜひ最後まで読んでいってください!
無縁仏にならない工夫をしないといけない時代になりました。価値観が大きく変化する時代ですから、もしお墓を存続させたい!と考えている方は、ぜひ記事を読んでいってください!
「無縁仏」とは?
まず始めに、「無縁仏」という言葉の基本的な意味から探っていきましょう。
「無縁仏」とは、文字通り「無縁」となった「仏」、すなわち故人のことを指します。具体的には、以下の二つの状況を示しています。
- 墓を持たないで亡くなった人: 何らかの事情で自らの墓を持たないままこの世を去った方々です。これには戦争や疫病、災害などで突然の死を迎えた人々も含まれます。最近では身寄りのない孤独死などもこちらの状況に当てはまります。
- 墓を持っているが墓参りをしてくれる人がいない故人: 一般的に、家族や親戚が墓参りを行い、故人を偲ぶことが習慣としてありますが、何らかの理由でそのような人が存在しない、或いは来てくれない故人のことを指します。
最近は戦争や疫病といった事象は日本では発生していませんので、1の状況であれば孤独死のケースが多いとされています。
次章では無縁仏になると、どうなるのか?という点を解説していきます。
無縁仏になるとどうなるの?
無縁仏になった場合、状況に応じて対応が分かれます。今回は下記の2つのケースでそれぞれ解説していきます。
- 遺体の引き取り手が無い場合
- お墓の管理者が居なくなった場合
遺体の引き取り手が無い場合
遺族がいない場合や、居たとしても遺体の引き取りを拒否した場合、自治体が代理で火葬及び埋葬を行うことになっています。
お墓の管理者が居なくなった場合
遺族が居ない、もしくは居てもお墓の管理を拒否した場合には、お墓の管理者がお墓を管理することになります。多くの場合にはお墓に埋まっている遺骨が取り出され、合同墓地に引っ越しをされる事が多いようです。
このように無縁仏になった場合には、然るべき対応が取られる訳ですが、もし上記のような対応ではなく、しっかり自分たちで対応をしたい!という事であれば、無縁仏にならないようにする必要があります。
「無縁仏」が発生する背景
ここまで無縁仏とは?という定義と、無縁仏になった場合の対処方法を確認してきました。この章では、無縁仏が発生する背景について解説していきます。
少子高齢化
最近メディアなどで「無縁仏」という言葉が取り上げられるようになった一つのキッカケは「少子高齢化」がキッカケだと言われています。
少子高齢化で子供が居ない、もしくは居ても関係が悪い家族が増加した結果、自分の死後に管理がされないお墓だけが残ってしまう状況になるからです。
核家族化
近代以降の都市化の進展や、仕事や生活の環境の変化に伴い、多くの人々が故郷を離れて新たな地に移住しました。これにより家族が離ればなれとなり、伝統的な墓参りの習慣が途切れることが増えてきました。
結果的に、少子高齢化と同様に代々続いてきたお墓の管理が途絶えてしめって無縁仏となってしまうという事になります。
無縁仏を避けるための方法
「無縁仏」という悲しい現象を避けるためには、個人の努力だけでなく、社会全体での取り組みが求められます。この章では、無縁仏を防ぐための具体的な方法や取り組みについて紹介していきます。
個人の取り組み
生前整理
自身の死後のことを考え、生前に資産や遺品の整理を行うことで、家族や遺族の負担を軽減することができます。また、墓地や供養の方法についても、事前に指示や希望を明記することが重要です。
もし無縁仏を避けたいのであれば、自分の死後の事を想像した上で、必要な対策を取るようにしましょう。例えば、もしお墓の管理者が居なくなりそうであれば、墓じまいを行ってお墓の管理を不要にすることもできます。
コミュニケーションの促進
親族とのコミュニケーションを行って、お墓について話し合うことも大事です。自分が「管理をし続けて欲しい!」と思っていても、他の家族は「面倒なので墓じまいをして欲しい」と思っている事はよくある話です。
お互いの思いをしっかり話し合って、お墓をどうするのか?という点を決めていきましょう。
社会的な取り組み
共同墓地の普及
共同墓地は、個別の家族墓ではなく、多くの人が共に供養される墓地です。お墓の管理が大変だという方は共同墓地を選ぶようになっており、皆で管理するお墓の導入が進んでいます。これによって、無縁仏の増加を防ぐ効果が期待されます。
公的なサポートの強化
特に高齢化が進んでいる地域については、自治体からの無縁仏に対するサポートが欠かせないでしょう。無縁仏が発生しないようなサポート体制を整えることが大事だと言えます。
「無縁仏」という問題は、現代社会の中で忘れ去られている部分を照らし出しています。しかし、それぞれの取り組みを通じて、この問題に立ち向かうことで、より温かく、つながりのある社会を築いていくことが可能です。
まとめ
この記事を通して、「無縁仏」という言葉の意味、背景、そしてその問題を避けるための方法について詳しくお伝えしてきました。
無縁仏は自分自身が向き合うべき問題の一つだと言えます。自分の死後、もしくは自分の先祖代々のお墓をどのように引き継いでいきたいのか?に関しては、家族間でしっかり話し合いをして、無縁仏にならないような工夫が大事でしょう。
この記事が無縁仏を考えるキッカケになれば幸いです。
私たち一人一人が、この「無縁仏」という問題について意識を持ち、身近なところから改善の取り組みを始めることで、誰もが安心して生き、そして死んでいける社会を目指すことができるでしょう。それぞれの行動が、大きな変化を生む最初の一歩となります。
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