人形供養の仕方を徹底解説!依頼できる寺院・神社・専門業者も紹介

人形供養のために並べられたひな人形の写真 人形供養

人形というものは、ただの玩具や装飾品としてだけではなく、我々の生活の一部、あるいは子供の成長や記憶の一部となることもあります。しかし、使わなくなったり、古くなったりした人形をただゴミとして捨てるのは何となく心苦しいですよね。そこで、我々日本人の文化には「人形供養」という考え方があります。

人形供養とは、人形に込められた思いや感情を敬うため、また人形自体に対する感謝の意を示すために行われる行事です。これは人形が単なる物としてではなく、私たちの一部として扱われる、日本の文化的な考え方から生まれたものです。

この記事では、そんな人形供養の背景、方法、そして人形に対する感謝の気持ちを込めて供養する方法について解説します。人形に対する感謝の気持ちを形にし、新しい旅立ちを祝うための一助となれば幸いです。

人形供養の背景と文化的意義

日本の文化には、モノに対する敬意や思い入れを大切にするという精神が根強く存在しています。この中には、使い古した道具を修理する「繕い」の文化や、古くなった人形を供養する「人形供養」の習慣も含まれます。

人形供養の背景には、昔から日本に伝わる「モノには霊が宿る」という考え方、これをアニミズムと言います、が深く関係しています。アニミズムとは、自然物や生物だけでなく、人間が作り出した道具や人形にも霊や魂が宿るという信仰のことを指します。

人形は日本人にとって、子供の遊び相手であり、成長の記録であり、または思い出の一部となる存在です。そのため、古くなったり使わなくなったりした人形をただ捨てるのではなく、人形への感謝の意を示す行事が行われるようになりました。これが人形供養の始まりとされています。

特に日本では、古くから人形に魂が宿るとされており、人形はただのモノではなく、子供たちの成長を見守る存在として扱われてきました。そのため、人形供養は感謝の気持ちを形にし、人形に新たな旅立ちを祝福するという意味が込められています。

このような文化的背景から生まれた人形供養は、私たちが大切に思うモノへの敬意を示し、心を込めてさよならを伝えるための大切な儀式となっています。そして、この儀式は我々が物事を大切にするという日本の美意識や道徳観を象徴しているとも言えるでしょう。

しゅう
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大量生産・大量消費の時代が過ぎ去り、物を大切にすることの重要性が世界的に広まっています。その中での日本のアニミズムは素晴らしい文化だと言えます。人形供養はその一例としてとても良い文化だと思っています。

人形供養の方法とは?

人形供養の方法はさまざまですが、一般的な手順を下記に示します。

具体的な手続きは、供養を行う寺院や神社により異なるので、事前に問い合わせることをおすすめします。

供養を行う場所の選定

最初に人形供養を行う場所を選びます。

人形供養を行ってくれる寺院や神社が各地にあります。また、一部の地域では地域コミュニティが主催する人形供養の催しもあります。それぞれの供養の場所には、供養の日時や方法、費用などの詳細がありますので、事前に確認しましょう。

この章の文末に人形供養を行ってくれる寺院・神社や専門業者のリストを掲載しておきますので参考にしてみて下さい。

人形の準備

次に、供養を受ける人形を準備します。

もし人形が汚れている場合は、できるだけ綺麗に清掃しましょう。ただし、カビや汚れを無理に除去しようとすると破損に繋がる可能性もありますので、落ちない汚れはそのままで構いません。

そして、人形を包むための布や紙袋などを用意します。この際、人形に向けた感謝の気持ちを込めて扱うことが大切です。

供養の申し込みと手続き

供養する人形が準備でき、人形供養を行う場所が決まったら、必要な手続きを行います。

事前予約が必要な場合もありますので、確認しましょう。当日は、人形とともに供養を行う場所へと向かいます。その場所での手続きに従って、人形を預けます。その際に、人形への感謝の気持ちや思い出を語ることもあります。※大概の場所が有料での受付となりますので、お金を持っていく事を忘れずに

供養の終わりとその後

供養が終わった後は、人形が新たな旅立ちを迎えることを祝い、心からの感謝の気持ちを伝えます。供養が終わった後も、人形に対する敬意や感謝の心を忘れないことが大切です。

以上が一般的な人形供養の流れですが、地域や施設により細かな習慣は異なることを覚えておきましょう。それぞれの手続きにおいて、心からの敬意と感謝の気持ちを忘れずに行うことが、人形供養の真髄です。

人形供養を行ってくれる寺院・神社・専門業者

下記には人形供養を行ってくれる寺院・神社・専門業者を表で紹介します。詳しいことは、それぞれの寺院・神社・専門業者に問い合わせするようにしてください。

名称住所申込方法供養できるもの費用
清水観音堂東京都台東区上野公園1-29持ち込みで通年受付人形・ぬいぐるみ一体3000円
大本山成田山仙台分院宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉33–2持ち込み・郵送人形みかん箱1箱3000円
上野天満宮愛知県名古屋市千種区赤坂町4-89持ち込み人形・ぬいぐるみ・ランドセル3キロまで2000円
天神社大阪府門真市月出町22-2持ち込み・郵送人形・ぬいぐるみ5000円
和布刈神社福岡県北九州市門司区大字門司3492番地持ち込み・郵送人形・ぬいぐるみ1箱3000円~(大きさにより変動)
オコマリ持ち込み・郵送人形・ぬいぐるみ・アルバムなど何でも1箱10000円(大きさによる変動なし)
人形供養を行ってくれる寺院・神社・専門業者の一覧表
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人形供養を開催する頻度、人形供養が終わった後に供養報告書を発行してくれるか?など人形供養を行ってもらえると言っても細かいサービスの違いがありますので、気になるところがあればHPをチェックしてみましょう!

人形供養をするための準備の手順を紹介

人形供養を行う上での準備は、供養する人形に対する敬意と感謝の気持ちを形にする重要な工程です。ここでは人形供養のための基本的な準備手順を説明します。

供養する人形の選定

まず、供養を行う人形を選びます

使わなくなった人形、古くなった人形、特に思い入れがある人形など、供養を行う対象は何でも構いません。この際、その人形と共に過ごした思い出を振り返り、感謝の気持ちを改めて感じてみましょう。

ちなみに、「人形」の定義は人によって、また寺院・神社・専門業者によって異なります。人の顔が書いてあれば「人形」とする所もありますので、どこまでを供養してくれるのか?は依頼する寺院・神社・専門業者に問い合わせしてみましょう。

供養する人形のクリーニング

供養を行う人形が汚れている場合、なるべく清潔にすることが望ましいです。

乾いた布やブラシでやさしく拭き、汚れを落とします。ただし、強くこすったり濡れた布を使ったりすると、人形を傷つける可能性がありますので注意しましょう。※必ずしも汚れを落とす必要はないので、傷つけるくらいならそのままにしておきましょう。

包装材の用意

供養を行う人形を包むための素材を用意します。

通常、白い布や紙袋が使用されます。人形の大きさに合わせて、適切な大きさのものを選びましょう。また、包む際には、感謝の気持ちを込めて、やさしく、丁寧に行いましょう。※白色が好まれるのは、白装束は、浄土へと旅立つための衣装とされているからです。

供養を行う場所の連絡

供養を行う寺院や神社に事前に連絡をし、供養の日時や持ち物、費用などの詳細を確認します。また、人形供養に必要な手続きがある場合もありますので、それらの準備も必要となるかもしれません。

以上が供養のための基本的な準備ですが、地域や施設によっては、異なる手続きや準備が求められることもありますので、事前に十分に確認しましょう。供養の準備は、ただの手続きではなく、人形への感謝の気持ちを形にする大切な一歩です。

しゅう
しゅう

人形供養を依頼する事に慣れている方は、あまり多くないと思いますので、気になる事があれば申し込みをしたいと考えているところに連絡してみるのが良いでしょう。

人形供養を自分で行う方法

人形供養は自分で行う事も出来ますので、費用を抑えたい方や最後まで自分で見届けたいという方は、ぜひ実践してみて下さい。

人形供養を自分で行う場合、基本的な手順は寺院・神社・専門業者に依頼する場合と変わりません。唯一の違いは、処分を自分で行う必要がある点です。

人形やぬいぐるみは基本的に自治体の燃えるゴミで処分することが出来ます。ただ、ガラスケースは粗大ごみで処分しないといけないケースが多いので、自分が住んでいる自治体の処分方法に従うようにして下さい。

もし他のゴミと混ざるのが嫌なのであれば、供養した人形やぬいぐるみだけは別のゴミ袋に入れて処分すると気持ちが楽になります。

しゅう
しゅう

私は自分で供養する方が好きなので、自分で人形供養を行っています。一番気を付けているのは、感謝の気持ちをしっかりと伝える事。「今まで本当にありがとう」と一言伝えてから、処分するようにしています。

人形供養の際の気持ちや思い

人形供養の最も重要な要素は、感謝の気持ち敬意です。

供養は、物質的な行為だけでなく、心の中の思いや感情を表現する精神的な行為でもあります。以下に、供養の際に大切な気持ちや思いについて詳しく説明します。

感謝の気持ち

人形と共に過ごした時間、共有した思い出、その存在がもたらしてくれた慰めや喜びなどに対する感謝の気持ちを持つことが重要です。人形供養は、その感謝の気持ちを形にする機会でもあります。供養の際には、自分の心の中に感謝の気持ちを呼び起こし、その気持ちを人形に向けて送ることが求められます。

敬意

人形供養は、人形への敬意を表現する行事でもあります。人形をただの物としてではなく、一緒に時間を過ごした大切な存在として扱い、その生涯を尊重することが大切です。供養の際には、人形への敬意を心に留め、尊重の念を込めて供養を行います。

お別れの思い

人形供養はまた、人形とのお別れの時間でもあります。そのお別れの思いを、深く感じ、自分の心の中で人形との別れを受け入れることが大切です。その感情を抑えず、感じるままに供養を行いましょう。

新たな旅立ちの祝福

最後に、供養は人形が新たな旅立ちを迎えることを祝う行事でもあります。人形が新たな世界へと旅立つことを心から祝福し、その新たな旅立ちを支える思いを込めて供養を行います。

供養の際には、以上の気持ちや思いを大切にし、心を込めて行動しましょう。それが、最高の人形供養につながると言えるでしょう。

まとめ

私たちの日常生活の中にある人形は、特別な存在です。それは私たちの子供時代の思い出を守り、一緒に過ごした時間を象徴し、時には慰めや励ましを提供します。したがって、それらをただ捨てるのではなく、人形供養という形で感謝と敬意を示すことは、私たちが経験した感情や思い出を尊重する大切な行為です。

この記事では、人形供養の背景と文化的意義人形供養の具体的な方法供養のための準備、そして供養の際の心の持ち方について説明しました。この知識を基に、自分の大切な人形への最後のさよならを適切に表現することができるでしょう。

人形供養は、物理的な行為以上のものです。それは私たちの心の中の感謝と敬意を形にする機会であり、過去への敬意を払い、新しい未来への門出を祝う行事です。その一環として、この記事があなたの人形供養の一助となれば幸いです。人形供養を通して、私たちが大切に思う人形への感謝の気持ちを思い出し、その思い出を尊重し、新たなステージへの旅立ちを祝いましょう。

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