日本では8月半ばに「お盆」と呼ばれる期間があり、先祖が一時的に戻ってくる期間とされています。
その期間には仏壇を飾ったり、お墓参りにいく風習があります。今回はお盆における仏壇飾りの種類や飾り方などについてご紹介いたします。
お盆とは
お盆とは、8月15日前後の期間で設定され、仏教にならって祖先を祀る風習があります。お盆の風習は地方によって異なりますが、祖先を供養するために仏壇に飾りものをしたり、地域では花火大会や盆踊り大会などを開催するところも多い傾向にあります。
四十九日の法要が終わってから迎えるお盆のことを「初盆」や「新盆」と呼び、盆提灯などを飾って故人を供養する風習があります。
お盆の仏壇飾り
お盆の期間中に行う風習の1つに「仏壇飾り」と呼ばれるものがあります。仏壇飾りは、祖先を供養するために仏壇に飾り付けをすることで、お盆を迎える8月12日前後に仏壇に飾り付けを行います。
お盆期間中に仏壇飾りを行う場合は祭壇のような形状などにして、祖先を供養するためのお供え物や祖先が迷わず帰ってこれるようにロウソクなどを灯して飾り付けを行います。
お盆の仏壇飾りに必要なもの
お盆の期間中に仏壇飾りを行う場合は、お供えものや用意しなければならないものがいくつかあります。たとえば、代表的なものといえば「精霊馬」と呼ばれるもので、祖先が迷わずあの世に帰ることができるように用意するため飾ります。それでは、お盆の期間中に仏壇を飾る場合はどのようなものが必要なのかをくわしくご紹介していきましょう。
仏壇飾りに必要なもの1:お供え物
お盆の期間中の仏壇飾りの1つが「お供え物」です。お供え物はご先祖さまに感謝の意を込めて好んでいたもの食べ物を飾ってあげるといいでしょう。お供えものは魚や肉などの生鮮類は避け、季節の野菜や果物を選ぶようにしましょう。
またお供え物を持参する場合は、小分けにされたおせんべいなど、その後でも食べられるようなものを中心に贈るのもです。
仏壇飾りに必要なもの2:まこもの敷物
精霊馬などの仏壇飾りの下には、まこもというイネ科の植物でつくられたござの敷物を敷くのが一般的です。仏壇の飾り方には祭壇のような形や棚を1つプラスした形など、家庭によっても異なります。
またまこものござを使用するのが基本とされていますが、現在は布や敷物をせずに飾り物を仏壇に飾ることもあります。仏壇屋などでは他の飾り物と合わせてセット販売しているところもあります。
仏壇飾りに必要なもの3:精霊馬
「精霊馬」と呼ばれる仏壇飾りは、きゅうりとナスで馬と牛の形を作った飾り物です。精霊馬は、ご先祖様が馬に乗って家に来れるように、またあの世に戻る際も牛に乗ってゆっくり戻れるようにという意味は込められております。
精霊馬は割りばしと楊枝を使って作る飾り物で、地方などでは仏壇の飾りものとしてだけでなく、玄関などの目に見える部分に置かれることもあります。
仏壇飾りに必要なもの4:盆提灯
盆提灯とは、お盆の時期にご先祖様が迷わず戻ってこられるように目印として飾る飾り物です。盆提灯には、吊るすタイプと絵柄がまわるタイプの2種類があります。
初盆や新盆の場合は、白提灯と呼ばれる盆提灯を飾るのが一般的です。白提灯ははじめて迎えるお盆のために使用するものなので、使用後は焼却して処分します。盆提灯にはさまざまな種類や大きさがあるので、購入する際に仏壇屋などで相談するといいでしょう。
仏壇飾りに必要なもの5:水の子
水の子と呼ばれる仏壇用の飾り物は、蓮の葉の上にきゅうりとナスのみじん切りとお米を混ぜてのせた飾り物のことを意味します。蓮の葉は水の上に浮かべ、その上に食べ物をのせることであらゆる霊にお供え物をするという意が込められています。水の子も地域によって内容や形も異なり、水をいれない方もいれば、きゅうりとナス以外の食べ物をいれることもあります。
仏壇飾りに必要なもの6:閼伽水
閼伽水とは「あかみず」と読み、お盆の期間中に仏前に飾る供養水として用いられる飾り物です。閼伽水を作るには、器の中にきれいな水をいれ、ミソハギの花を添えれば完成です。ミソハギの花は悪霊を寄せつけないという意が込められており、汚れを取り払うという意味があります。
仏壇飾りに必要なもの7:蓮の花
お盆の仏壇飾りにおいて、位牌を盆棚に置いて飾る場合は横に「蓮の花」を置きます。お盆に飾る際の蓮の花とは「盆花」と呼ばれ、ゴールドで作られた造花を使用するのが多い傾向にあります。お盆が終了したら、送り火などと一緒に燃やして処分しましょう。
仏壇飾りに必要なもの8:精霊棚
精霊棚とは、お盆の際の飾り付けをのせる棚のことを意味し、「盆棚」とも呼ばれています。精霊棚にもさまざまなタイプのものがあり、2段になった棚を使用する方が多い傾向にあります。しかし、現在は家に仏壇を置くスペースがない家庭もあるので、小さなサイズのものや1段のものを使用する方も増えています。
用意すべきもの
お盆の時期には仏壇飾りをはじめ、ご先祖さまを迎えるにあたり用意しなければならないものがあります。特にはじめてお盆を迎える「初盆」や「新盆」の場合は、華やかにお迎えるすることがよしとされています。では仏壇飾りのほかにどのようなものが必要なのかいくつかご紹介いたしましょう。
ほおずき
お盆における飾りものをさらに華やかにするものの1つが「ほおずき」です。ほおずきは、美しいオレンジ色をした植物で、涙型のように下の部分がすぼまっている形が特徴的です。
お盆でほおずきを飾る理由は諸説ありますが、ほおずきは明るく提灯のような形に見えることから、ご先祖さまが迷わず来れるように目印としての意味が込められているといわれています。
そうめん
ほおずきと同じくお盆のお供え物としてよく見かけるのが「そうめん」です。「そうめん」をお盆の時期にお供えものとするのにも諸説ありますが、そうめんは「細く長く続く」という意が込められた縁起物です。
お盆の仏壇飾りにお供えする場合は乾燥したままのそうめんを置きましょう。行事食としてお供えする場合は、そうめんを茹で、麺つゆも合わせてお供えします。
お盆の仏壇にお供えするもの
お盆の仏壇にお供えするものには、決まったものは特にありません。しかし、お魚やお肉などの生鮮類などは避けるのが一般的です。お供え物はご先祖さまの好物だったものや季節の野菜・果物が多い傾向にあります。お供え物を持参する場合は、後で処理に困らないように小分けにされたおせんべいなどもいいでしょう。
お盆期間の仏壇について知ろう
日本では8月15日前後の時期を「お盆」と呼び、この時期にご先祖さまがこの世に戻ってくる時期とされています。このシーズンでは会社をお休みし、田舎に帰省してお盆休みを過ごす方も多い傾向にあります。
お盆の時期は仏壇を華やかなに飾るのが習慣としてあります。仏壇飾りにはさまざまな意味は込められたアイテムがあり、お盆を迎える前にしっかり準備しておくことが大切です。