お通夜や葬儀・告別式が終わったあとにも、故人の冥福を祈って、供養が行われます。
宗教や地域によって異なっていますが、一般的な法事や法要にはマナーがあります。ここでは、法事や法要でのマナーについて、より詳しくご紹介いたします。
法事・法要とは
亡くなった方のために行われるものとして、お通夜や葬儀以外にも、法事や法要があります。普段何気なく使っている「法事」と「法要」ですが、意味が違うことをご存じでしょうか。
一般的に、お経をあげてもらう追善供養のことを「法要」と呼び、追善供養後の会食までもを含むものを「法事」と呼びます。法要は、故人の冥福を祈るためのもので、故人が極楽浄土に行くことができるように供養する、大切な儀式となっています。
法事・法要の流れ7つ
普段、何気なく使っている「法事」と「法要」ですが、それぞれに意味があることが分かりました。では、その法事や法要はどのようにして行われるのでしょうか。
法事や法要には、それぞれ決まった流れがあります。ここでは、法事や法要の流れについて詳しくご紹介いたします。法事や法要を取り仕切るためには、準備からがとても大切になってきます。これから法事や法要を行う予定のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
準備
お通夜や葬儀が終わると、慌ただしく法事や法要の準備に取り掛かる必要があります。法事や法要の準備を滞りなく行うためには、法事や法要の当日までの流れを把握しておくことが大切です。
ここでは、法事や法要を行うまでにするべき事前準備について、流れにそって詳しくご紹介いたします。これから法事や法要を取り仕切る予定のある方だけではなく、社会人のマナーとして、法事や法要の正しい流れについて知っておきましょう。
1:日程を決める
まず初めに行うことは、法事や法要を行う日程を決めることです。法事・法要をいつ行うのか、また何人で行うのかということも決めましょう。法事や法要に参列する方や、僧侶の方の都合もあるので、なるべく早めに準備を開始するようにしてください。
多くの方に参列していただく場合には、法要日以前で最も近い土日に設定するとよいでしょう。
2:会場を決める
次に、法事・法要を行う会場を決定します。
自宅で行うのか、また神社で行うのかを決めましょう。自宅で行う場合には、法要の後に行われる食事についても考えておきましょう。自分で作ってもよいですし、仕出し料理を依頼しても構いません。寺院など、自宅以外の場所で行う場合には、日時が決定したら速やかに予約をすることをいたします。
また、その後に行われる食事はその場所で行うのか、場所を移すのかも決めましょう。
3:料理の準備
法事・法要の日時や人数、会場が決定したら、法要が行われたあとにふるまう料理についての準備をする必要があります。
法要のあとには、故人の冥福を祈ってささやかな食事がふるまわれることが一般的です。自宅で法事や法要が行われる場合には、自分で料理を準備することも可能です。自宅以外の別の会場を借りる場合などには、仕出し料理を依頼するのか、場所を移して食事を行うのかを決めておくことが必要になります。
4:寺院へ連絡
法事や法要では、僧侶の方をお招きしてお経をあげてもらう必要があります。お経をあげてもらう僧侶の方に、法事・法要に来てもらうように依頼をしましょう。
他の家の法事や法要と重なってしまった場合などには、早くに連絡した方が優先されるので、日時が決定した段階で、速やかに依頼をするとよいでしょう。もともとお付き合いのある寺院がない方は、定額・低価格のお布施で僧侶の方を手配してくれるサービスもあります。
5:案内状の準備
日時や参列者が決定し、僧侶の方の依頼ができたら、参列者の方々へ案内状を送る準備をしましょう。
案内状には、誰の法要で、何回忌なのかを明記します。また、いつどこで行うのかについても明記することが必要です。菩薩寺など代々と法事や法要を行っている場所であれば詳しく記載しなくてもよいですが、そうでない場合や初めて参列する方には、会場の住所も記載する方がよいでしょう。また、食事の有無についても記載しましょう。
6:引き出物の準備
法事・法要を行う日程、参列者の人数、会場、寺院への連絡、案内状の送付の準備ができたら、引き出物の準備を始めましょう。
法事や法要では、参列者の方に対して引き出物をお渡しすることがマナーとなっています。法要の際にお渡しする引き出物には、消費する物を選ぶとよいとされています。肉や魚などの殺生を連想させるものは避けるようにしましょう。日本茶やコーヒー、お菓子、のりなどが一般的な引き出物とされています。
7:お布施の用意
最後に、法事・法要の際に僧侶の方にお渡しするお布施を用意します。
お布施とは、僧侶の方がお経をあげていただいたり、戒名を授与していただいたりした際に、お礼として渡すお金のことです。法事や法要の際には、お招きした僧侶の方に対して、お布施を渡すことがマナーとなっています。
お布施の相場は、3万円から5万円が一般的ですが、宗派や地域によってもことなりますので、事前に確認することが必要でしょう。
法事・法要での服装のマナー
法事・法要を行うための事前準備については、前の項目で詳しくご紹介しました。ここでは、法事・法要の際に着るべき服装のマナーについてご紹介いたします。
法事や法要に参列する際に、どのような服装で行くべきか迷った経験のある方も少なくはないのではないでしょうか。法事や法要には服装のマナーがあります。服装についてのマナーをきちんと知り、相手に失礼のないように心がけることが大切です。
男性
お通夜や葬儀などでは、正喪服を着用することがマナーとなっています。では、法事・法要の場合の男性の服装とは、どのようなものなのでしょうか。基本的には、三回忌までは正喪服を着用することをいたします。
喪に服すという気持ちを込めて、三回忌までの間は喪服を着用するとよいでしょう。故人を偲ぶうえでも、きちんとした格好をすることはとても大切です。七回忌以降は、平服でもよい場合が多いでしょう。
女性
女性の場合も同じように、お通夜や葬儀などでは喪服を着用することが一般的です。男性と同じように、三回忌までは喪服を着用するとよいでしょう。
女性の喪服の場合は、光沢のない無地の黒いワンピースやスーツ、またはアンサンブルでもよいでしょう。光沢のあるビジネス用のスーツは避けるようにしましょう。七回忌以降は、平服でも構わない場合が多いでしょう。黒や濃紺などの控えめな色の服装を選ぶようにしましょう。
学生
社会人になれば、多くの方が正喪服を持っています。では、学生が法事や法要に参列する場合の服装は、どのような服装を着用するべきなのでしょうか。
学生が法事や法要に参列する場合の服装は、学生服を着用します。学生にとって、学生服はフォーマルな場所で着用することのできる服装です。学生服がある場合には、学生服を着用するとよいでしょう。大学生の場合には、ブラックスーツを着用するとよいでしょう。
子供
子供が法事や法要で参列する場合、どのような服装で参列させるべきか悩んでしまう方も多いでしょう。子供が法事や法要に参列する場合、制服があれば制服を着用するとよいでしょう。制服がない場合には、黒や白などの控えな色の服装を着用すればよいでしょう。
法事・法要のお布施について
法事や法要の際には、お招きした僧侶の方に、お布施を渡すことがマナーとなっています。ここでは、法事や法要の際にお渡しするお布施について、より詳しくご紹介いたします。
薄墨と濃墨
法事・法要の際にお渡しするお布施の表書きは、薄墨ではなく、ふつうの濃黒で書くようにしましょう。お通夜や葬儀の際のお香典の表書きには、薄墨で書くことがマナーですが、法事や法要の際のお布施には、濃黒で書くようにしましょう。
包むのは新札の方がいいのか
お布施で包むお札についてですが、基本的には新札であっても旧札であっても構いません。お香典の場合には旧札を使用することがマナーとなっていますが、お布施の際には新札でも旧札でも問題ありません。
法事・法要について知ろう
いかがでしたでしょうか。法事や法要には、それぞれマナーがあります。法事や法要についての正しいマナーを身に着け、相手に失礼のないようにすることが大切です。基本的な法事・法要のマナーを身に付けましょう。