お盆の時期のお墓参りに欠かせないのが、線香代です。線香代はどれくらいお包みするのがマナーなのでしょうか。
この記事では知っておきたい線香代の費用相場に加えて、その表書きの方法や渡し方などについても解説しています。ぜひご参考ください。
線香代とは
お盆のお墓参りの際によく耳にするのが、「線香代」という言葉です。線香代とはその字のとおり、亡くなられた方のために線香をお供えする代わりに、その親族の方にお渡しするお金のことです。
以前は他家のお墓参りに行く際には、お線香そのものを持参してお墓にお供えしていましたが、近年ではお線香の代わりに所定の金額を包んで持参するのが一般的です。
ここからは、線香代の目的などについて詳しく見ていきましょう。
線香代の目的
そもそも、どうしてお墓参りの際に線香代を持参する必要があるのでしょうか。ここではまず、線香代の目的について確認しておきましょう。
線香代の直接的な目的は、故人を弔うために必要なお線香をご遺族の方に買ってもらうためにお金をお渡しするということですが、近年ではお線香に限らず、ご霊前にお供えするものを買ってもらうために線香代という名目でお金をお渡しするようになってきています。
お花代との違い
線香代とよく混同されやすいのが、お花代です。それでは、線香代とお花代とは、どのように違うのでしょうか。
お花代とは、故人が亡くなられた直後に行われるお葬式でお供えする花のためにご遺族にお渡しするお金ですが、それに対して線香代は、故人のお墓参りの際にご遺族にお渡しするものであり、その目的はご霊前にお供えする線香のためのものです。
なお、お葬式に参列する際には、香典とは別にお花代をお渡しします。
線香代の費用相場3つ
以上では、知っているようで意外と知らない線香代の目的や、線香代とお花代との違いについてご紹介してきました。
それでは、線香代をお渡しするにあたって、具体的にどれくらいの金額をお包みすれば失礼にあたらないのでしょうか。金額の相場は、ご自身の立場や相手との関係性によって異なってきます。
ここからは線香代の費用相場を3つのパターンにわけてご紹介していきますので、ぜひ参考になさってみてください。
1:他家のお墓参りをする場合の相場
特に気を配りたいのが、他家のお墓参りをする際です。身内のお墓参りではありませんので、ご霊前とご遺族に失礼がないように、線香代の相場についてきちんと知っておきたいところでしょう。
他家のお墓参りをする際にお包みする線香代の相場としては、5000円ほどが一般的です。ただし、付き合いがさほどない相手の場合は5000円も包むと恐縮させてしまうことがありますので、1000~2000円程度をお包みしましょう。
2:寺院に渡す場合の相場
お墓の管理をされているのが寺院だった場合、お墓参りをする際に寺院に線香代をお渡しするのが一般的です。では、寺院にお渡しする線香代はどれくらい包めば失礼がないのでしょうか。
檀家であり、なおかつ年会費をあらかじめ寺院にお支払いしているならば線香代をお渡しする必要はありませんが、そうでない場合は1000~1500円程度をお包みして線香代としてお渡しするのがマナーです。
3:納骨堂に渡す場合の相場
寺院ではなく納骨堂がお墓を管理している場合には、納骨堂に対して線香代をお渡しするのが一般的です。では、納骨堂に対する線香代の費用相場とはどれほどなのでしょうか。
納骨堂にお渡しする費用相場は管理費を支払っているかどうかによって異なり、管理費をお支払いしていない場合は1000~1500円程度を線香代として包むのがマナーです。
ただし、すでにお布施を支払っている場合には線香代をお渡しする必要はありません。
線香代のマナー2つ
以上では、線香代について必ずおさえておきたい費用相場について確認してきました。線香代をお渡しする上で他にも知っておきたいのが、表書きをどう書くのか、またどのようにしてお渡しするのかという二点についてです。
ここからは社会人として知っておくべき線香代の表書きと、その渡し方について解説していきます。恥をかかずにすむように、社会人の嗜みとしてぜひチェックしてみてください。
1:表書き
線香代は、普通の封筒ではなく、必ず法事用の不祝儀袋にお包みするのがマナーです。近年ではあらかじめ表書きが印字されている不祝儀袋も売られていますが、自分で表書きをする必要のある不祝儀袋もあります。
不祝儀袋の表書きはお渡しする方の宗教に応じて変わってきますので、社会人のマナーとして、宗教に合わせた書き方を覚えておきましょう。
ここからは、仏式と神式の線香代の表書きについてご紹介していきます。
仏式の場合
まずは、浄土真宗など仏式の場合の線香代の表書きについて確認しておきましょう。仏式では、線香代の表書きは「御香料」もしくは「御線香料」と書くのがマナーです。
仏教と一口に言っても、その宗派はさまざまですが、「御香料」「御線香料」ならばどの宗派にも使うことができます。
また、ややマイナーではありますが、「御仏前」や「御供物料」という表書きにすることもあります。
神式の場合
それでは、神道を信仰されている方に線香代をお渡しする際、どのような表書きにすればよいのでしょうか。
神道では仏教のようにお線香ではなく、その代わりに玉串をお供えすることになっています。神式の場合、線香代の表書きは「玉串料」あるいは「御榊料」のどちらかを書くのが一般的です。
また、ややマイナーではありますが、「御神前」という表記を使うこともあります。
2:渡し方
線香代の費用相場や表書きについてだけではなく、その渡し方を知っておくことも重要です。では、線香代はどのようにしてお渡しするのがマナーなのでしょうか。
線香代は、香典のようにご遺族に直接お渡しするのではなく、お墓や仏壇の前で弔事用の袱紗から取り出し、邪魔にならないように左の隅に置くのがマナーです。
お墓参りに必要な持ち物
以上では、お墓参りをする際に欠かせない線香代の基本情報についてご紹介してきました。ここからは、お墓参りをする際に持参したい、線香代以外の必要な持ち物について解説していきます。
清掃用具
お墓参りに必要な持ち物としてまず挙げられるのが、清掃用具です。こまめにお墓参りをしていなければ当然お墓の周辺が枯葉や雑草などで汚れてしまっているので、箒や塵取り、スポンジ、バケツなどの清掃用具を一式持っていくとよいでしょう。
お花
お花も、お墓参りをする際に持参すべき必要なものとして挙げられるでしょう。
お墓にお供えする花と言えば菊などの仏花が一般的ですが、最近では仏花に限定せず、故人が生前好きだった花をお供えするご家庭も増えてきています。
また、できれば日持ちのするお花を選んだほうがよいでしょう。
お供え物
お花に加えて、お供え物もお墓参りに欠かせない持ち物として挙げられるでしょう。
お供え物としては、線香やお花に加えて、蝋燭や清めの水、お菓子やジュースなどの食べ物を持参するのが一般的です。
故人が生前好きだったものや、旬の果物などをお供えとして持っていくとよいでしょう。
線香代のマナーに気をつけてお墓参りをしよう
今回は線香代をテーマに、その目的や費用相場、表書きや渡し方などについてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
お墓参りをする際にはあらかじめ線香代のマナーについてしっかりとチェックしておき、恥ずかしくないようにマナーに気をつけてお墓参りをするようにしましょう。