お布施の渡し方にはお金の入れ方や渡し方にもルールがあります。
お寺側と気持ちよく付き合いを続けるためにも社会人としてのマナーとして正しいマナーを身につけておきましょう。これを機会にお布施にお布施についての決まり事を覚えておきましょう。
お布施のお金の入れ方に決まりはあるか
葬儀や法事、法要の際には、お寺にお布施を渡します。お布施は僧侶に謝礼としてお渡しするものですが、お金の入れ方や渡し方のマナーについてご存じでしょうか。
お布施を渡し忘れてしまったり、お金の入れ方を間違えると恥ずかしい思いをしてしまいます。親せきが多く参列される場合は入れ方や渡し方を間違えると「常識がない人」として認識されてしまいますので、お布施についての正しいマナーを身につけておきましょう。
お布施の意味と目的
お布施は僧侶に渡すお金のことですが、そのお金はお坊さんにあげるものではありません。葬儀や法要、法事において僧侶に読経してもらったり、戒名をつけてもらう時は、その謝礼としてお金を包み、お布施として渡します。
そのため、僧侶が受け取ったお布施はお寺の維持や管理をするために使われることになり、僧侶の活動を援助することで、間接的に本尊をお守りする目的があります。
お布施のお金の入れ方に関する基礎知識4つ
お布施は感謝の気持ちを込めて渡す必要がありますので、お金の渡し方やお金の入れ方にもルールとマナーがあります。
そこで次に、お金を用意する方法やお金の入れ方について紹介しましょう。特に葬儀は突然訪れるものですので、いざという時に困ってしまわないようぜひ参考にして下さい。
1:お金を入れる際の注意点
お布施は基本的に気持ちで渡すお金ですので、金額が決まっていないことがほとんどです。僧侶に金額を直接尋ねても「お気持で」と答えられることがありますので、詳しい方に尋ねるか、お寺の事務所に電話をして尋ねると良いでしょう。
正式なお布施の入れ方は、奉書紙や半紙に包んでから白い封筒に入れますが、お金を入れ方は次のことに注意して下さい。
お金の合わせ方
まず、お布施を入れる封筒は中に入れるお金の金額に合わせて選びましょう。例えば、お通夜や葬儀といった重要な法要では、数10万円包むこともありますので、お布施を入れる封筒もまたその金額に合わせてそれなりのものを用意して下さい。
ただし、お通夜や葬儀以外の法事や法要で用意するお布施の場合は、白い封筒など簡単なもので構いません。お金の入れ方は、お布施も葬儀やお通夜の場合も同じ入れ方になります。
お金の向き
お布施のお金の入れ方では、お金の向きにも注意が必要です。お札は肖像画が書かれている方が表側になりますが、封筒の中にお札を入れるときは表側が封筒の表書きを書く方になるようお金を並べていれるのが正しい入れ方になります。
封筒の中に数10万円または数万円中に入れるときは、1枚だけ裏側になっていたりしないよう注意して下さい。
新札を用意すべきか
香典の場合は、新札を入れると「故人が亡くなる前に準備していた」「相手の不幸を待っていた」と受け取られてしまいます。そのため、新札しか用意できなかった場合は一度折りたたんで折り目をつけてから入れるのが正しい香典の入れ方です。
しかし、お布施は不幸の際に渡すものではなく、感謝の気持ちとして渡すものですので、見栄えのいい新札を入れましょう。手元に新札がない場合は、銀行で新札に取り換えてもらいましょう。
お布施の表書き
お布施は葬儀などの弔事のために渡すものではありません。そのため香典とは異なり、お布施の表書きには何も書かないか「お布施」または「御布施」と書き入れます。そのほか「御礼」「御経料」と書いてもかまいません。
お布施の表書きは薄墨ではなく濃い墨を用います。また、金額は表書きの下、もしくは封筒を裏側の右側に書き、裏面には、住所やお名前、金額を書き入れます。住所や名前は必ずしも筆を使って書く必要はありません。
お布施の中袋の書き方
お布施を入れる封筒には、中袋があるものとないものとがあります。中袋とは、お布施の中に入れるお金を包む袋のことを言います。
中袋がつけられていない場合は代わりに半紙を用いることもあり、感謝の気持ちを表現するため丁寧に包む必要がありますので、お布施は中袋が付いているものや半紙に包んでおく入れ方が一般的です。
表書きはこの中袋に書くことになり、封筒の上中央に「お布施」または「御布施」と書き入れます。
お布施の包み方
お布施を包むときは、中に入れるお札を奉書紙か半紙で包んでから封筒に入れるのが正しい入れ方です。
お布施を入れる封筒は、一重の白い封筒を使い表書きをご自分で書いてもかまいませんが、あらかじめ表書きが印刷されてある市販のものもあります。封筒を選ぶ時は郵便番号を記入する欄が付いていないものを選びましょう。
袱紗で包むときは、ダイヤ型になるよう袱紗をおいて中央に袋を置いたら右、下、上、左の順番に折り畳みます。
お布施を渡す際の注意点3つ
お布施とは「ご本尊」つまり「仏様」にお供えするものですので、渡し方にも注意が必要です。それでは、具体的にはどのようなことに注意するべきなのでしょうか。お布施を渡す時は次のことに注意しましょう。
1:お布施を渡すタイミング
お布施は直接僧侶にお渡ししますが、お布施を渡すタイミングは、葬儀や法要が始まる前にあいさつするときにお渡ししましょう。それ以外には、葬儀や法要が終わった後にお礼のあいさつをするときにお渡ししてもかまいません。
2:お布施の渡し方
お布施は、封筒のまま渡すと僧侶にも仏様にも失礼になってしまいます。お布施の渡し方には二通りあり、お盆をに乗せて渡す方法と袱紗に入れてから渡す方法とがあります。それでは次に、それぞれの渡し方について見てみましょう。
お盆を使う場合
お布施は直接手渡しするとマナー違反になりますので、お布施をお盆にのせてから渡します。お盆は切手盆とよばれる葬儀用の小さなお盆を用います。
切手盆にお布施を乗せて渡す方法は、布施に書かれた表書きが自分から見て正面になるよう乗せ、右上と左下を両手で持ち、時計回りにお盆を回して僧侶から見て正面になるように回転させてから僧侶の前に行き、切手盆をとお布施を渡します。
袱紗に包む場合
お布施を渡すときは必ずしも切手盆を使用しなくても構いませんが、お布施は必ず袱紗に入れてから渡しましょう。
袱紗はさまざまな色に分けられていますが、袱紗は紫色であれば弔事にも慶事にも利用できます。
袱紗で包んで渡すには、事前にお布施を袱紗に入れておき、僧侶の前まで行ったら袱紗からお布施を取り出します。取り出したお布施は僧侶側から見て表書きが正面に来るように向きを変え、お布施を袱紗の上に置いて渡します。
3:お布施を渡す際のあいさつ
お布施は読経を終えた後、一言添えて渡します。読経していただいたことに対して感謝の気持ちを込めて挨拶をし、僧侶にお布施を渡します。
お布施は、正確には読経していただいたことに対して謝礼金としてお渡しするものではありません。しかし、供養していただいたことに対する感謝の気持ちを忘れてはいけません。
お布施のお金の入れ方に関する基礎知識を理解しよう
いかがでしたか。今回はお布施の表書きの書き方や渡し方、入れ方について紹介しました。慣れるまでは難しいですが、今後もお寺と気持ちよく付き合いを続けるため、または 一社会人としてのマナーとして正しいお布施の入れ方や渡し方などのマナーを身につけておきましょう。
また、当日になって慌てなくてもすむよう、お布施を渡すことの意味についても併せて覚えておきましょう。