お通夜の日程の決め方は?お通夜の流れなど知っておきたいポイントを解説!

葬儀は、通夜と告別式のふたつの儀式で成り立っています。

一般的には亡くなった翌日に通夜、翌々日に告別式を行いますが、実際に日程を決める際には、考慮するべきこともあります。なかでも、通夜はいつ行うべきか、避けるべき日はいつか、など通夜のポイントを解説します。

目次

お通夜とは

通夜とは本来、夜通し灯を消さずにご遺体を見守る儀式です。灯明と線香の火を絶やさないようにし、故人の冥福を祈り、別れを惜しむ時間を持つためのものです。

ここからはそんな通夜の基本をはじめ、いつどのように行うかということ、さらにその後の告別式まで含めた全体の流れについても見ていきましょう。

お通夜と宗教の関係

いつ通夜を行うにしろ、後に執り行う告別式と埋葬まで、一連の儀式としての「葬儀」は宗教とは切り離せないものです。

檀家となっている菩提寺がありながらその寺と違う宗派で葬儀をしてしまうと、お墓に入れない、といったトラブルや葬儀のやり直しをなくてはいけなくなることもあります。

宗教と切り離せない性質上、暦(こよみ)の良し悪しなどがあるので、通夜をいつ行えばいいのか分からないときがあります。

お通夜の種類

お通夜の種類には、通夜、半通夜、仮通夜というものがあります。かつては夜通し灯明を灯していた時代の「通夜」という意味を考え、夕方から夜にかけて行う現在の通夜のことを「半通夜」と呼び、さらに、死亡当日の夜に納棺して親族だけで行うものを「仮通夜」と呼びます。

なお仮通夜に出席するのは親族だけなので、特別何かをする必要はありません。また礼服でなくても構いませんが、いつもより弔いの場にふさわしい服装にします。

お通夜はいつやる?知っておくべきポイント6選

一般的に人が亡くなった後は「死亡から火葬、埋葬までは死後24時間以上経過しなくてはならない」と法律で決められています(墓地埋葬法第3条)。

では、通夜は実際のところいつやればいいのでしょうか。ここからは通夜を行う際に避けるべき暦はいつか、また手順や決まりなどについて解説していきます。

1:お通夜は葬式の前日

通夜は告別式の前日です。まれに死後甦生するという話もあるなど、死後24時間経過するまで火葬できない理由はいくつかありますが、24時間後はなるべく早く通夜と告別式の段取りを決めましょう。

葬儀をいつ行うかの決まりはありませんが、いつでも良いというわけでもなく、通夜から告別式までの日にちが開くのは良くありません。

葬式はいつ行われる?

まず、葬式自体を行うには「この日は避けるべき」という暦上での暗黙の決まりがあり、それが「友引」です。

六曜という暦の中には、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6つがあり、友引は本来、良い暦の「先勝」と避けるべきとされる「先負」に挟まれた「良くも悪くもない」日です。

しかし、友引は昔から、その漢字の意味合いから「親しい友が冥界へ引き寄せられる」とされており、現在でもその考え方が受け継がれています。

2:法律では決まっていない

通夜はいつ行わなければならない、という法律上の明確な決まりはありませんが、ご遺体の状態を考えるといつでも良いわけではなく、後の段取りを考慮しつつなるべく早く行うのがベストです。

亡くなった時間帯、葬儀場や火葬場の空き状況、暦の良し悪しなどで、まず告別式から火葬、埋葬までの日取りを決め、最終的に、通夜を告別式の前日とするのが良いでしょう。

3:お通夜と友引の関係

本来、通夜は告別式のように友引を避ける必要はありません。しかし実際には、友引の日を考慮しなければならないその後の告別式のことを考慮すると、通夜の日程も友引に左右されると言えるでしょう。

4:枕飾り・枕勤め

一般的に仮通夜では、枕飾りや枕勤めといった儀式を行うことがあります。枕飾りでは、故人の枕元に白木の台を置き、水、香炉、線香、燭台などを飾り、枕勤めでは、遺体のそばで僧に枕経を読んでもらいます。

これらの儀式は、仮通夜をしないときは省略しても構いません。また、本通夜ではご遺体は棺に入りますので、枕飾り、枕勤めは行いません。

5:ご遺体の搬送

ご遺体の搬送は、病院や自宅、どこでいつ亡くなったかに問わず、まずは葬儀社に相談するのが一般的です。

その後、代々帰依している菩提寺に連絡してお勤めをお願いすることになります。そして、仮通夜が終わったら納棺します。

6:世話役を選ぶ

葬儀を行う際には、弔問客に失礼のないように細かく段取りを決める必要がありますが、遺族には精神的にも体力的にも辛いことが多いため、客観的に全体を見られる立場の人が必要になります。

その意味で、世話役の役割は重要です。遺族や故人とつながりがあった人の中で、信頼できる人を選びましょう。親族はもちろん、同僚などの知人、友人でも構いません。

お通夜の流れ9項目

日常生活の中で、葬儀の際に喪主になることはそう多くはありません。そのため、慣れないことが多く、スムーズに式をおこなえるか不安になってしまうものです。

どのように式を進行していけばいいか、弔問客に失礼のないようにするためにも、通夜の流れやマナーを押さえて、いつ何をどうすればいいのか、具体的に解説します。

1:受付

通夜開始の1時間くらい前には、芳名帳、筆記用具、香典返しなどを用意しておき、受付には誰か一人が常にいるようにしておくとよいでしょう。

また、都合があって指定した時間外にいらっしゃる予定の弔問客の中には、あらかじめいつ頃いらっしゃるかを伺っておけば安心です。そして、弔問客がいらっしゃったら「お忙しい中ありがとうございます」と挨拶をするようにします。

2:着席

通夜の席にいつ着席すればいいかは、弔問客の受付が終わる頃に、指定していた開始時間に合わせて、様子を見て世話役、または葬儀会社の進行係が案内してくれます。通夜の席次は、棺に近いところが親族、後ろに一般参列者が着席します。

3:僧侶入場

遺族、親族が着席したら、僧侶が入場します。僧侶がいつ入場するかのタイミングも葬儀会社の進行係が判断してくれますので、お任せしましょう。「導師入場」と言われたら、黙礼してお迎えします。

なお、自宅に僧侶をお呼びして通夜をする場合は、世話役の方に、いつ僧侶に入場していただくか、ということをあらかじめ相談してお願いしておきましょう。

4:読経

僧侶が故人の遺影の前に座したら、読経が始まります。宗派によって異なりますが、一般的には、平均20〜30分程度の読経が行われます。

読経は、仏教の経文を音読することで人々に教えを伝えるためのものであると同時に、故人が現世の苦しみから解放され成仏するためのものです。神道での祝詞(のりと)、キリスト教での神父の説教がこれにあたります。

5:焼香

僧侶の読経のあいだに行われるのが、焼香です。読経が始まってから焼香にうつるタイミングをいつにするかは、一般的には判断するのは難しく、進行係の人にお任せする方がいいでしょう。

また、いつ焼香を始めるかは僧侶が「どうぞ」と教えてくださることもあります。焼香が始まったら、まず遺族、次に親族、その後一般参列者が行います。まず故人に対し一礼し、続けて遺族に対し一礼してから焼香します。

6:説法

焼香が終わると、僧侶や宗派によっては説法を行うときがあります。通夜での説法は「通夜法話」とも言います。

一般的には、まず参列者に感謝の意を表し、次に遺族への慰めの言葉が続きます。そのほかに、仏教における死生観や、故人と別れてこれから生きていく人々への励ましの言葉もお話になります。

7:僧侶退場

説法が終わると、僧侶は退場します。通夜での説法の最後には、翌日の告別式で読経を行う旨の説明などもお話しになります。僧侶が退場するときも、入場したときと同じように黙礼してお送りします。

8:喪主の挨拶

喪主は、葬儀全般の主催者ですから、故人に代わって参列者へのお礼を述べなければなりません。喪主の挨拶は人それぞれで決まりはありませんが、一般的には、まず故人の「死去の報告」、その後「生前のご厚誼への感謝」「翌日の葬儀の案内」などを話します。

遺族には辛い時間であることは確かですが、挨拶の内容は簡潔にし、悲しみ嘆くばかりではなく、あまり湿っぽくならないようにしましょう。

9:通夜ぶるまい

そして最後に、弔問へのお礼として通夜ぶるまいの席へご案内します。控え室にもどった僧侶にも必ずおもてなしをしましょう。

通夜ぶるまいは、お清めの意味もありますので、遠慮せずにいただいても失礼ではありませんが、酔っ払ったり長居をしたりすれば、遺族に対しても亡くなった故人に対しても失礼ですので控えましょう。

お通夜での受付の挨拶例文2選

弔問客を迎える側は悲しみの中ですので、上手にあいさつしようとするより、心からありがとうございましたと述べれば十分です。忙しい中で弔問客に対して故人に代わってお礼を伝えるものですから、シンプルに感謝の意を表します。

また、弔問に伺う立場の場合は、遺族の方、喪主の方に対して失礼のないように気をつけましょう。こちらも「突然のことで大変でしたね」と短い言葉で構いません。

1:この度はご愁傷様です

通夜での受付の挨拶としてよく使われる言葉に「御愁傷様」というものがあります。ただ、相手を気の毒に思うさま、身内を失った方に対するお悔やみのほか「ご愁傷様」には「からかい」の意もあるので注意しましょう。

「この度は御愁傷様です」というフレーズはよく聞きますが、実際には、軽く黙礼して済ませる人も多くいます。

2:心よりお悔やみ申し上げます

「心からお悔やみ申し上げます」という言葉も、通夜での受付の挨拶としてよく使われる言葉です。「ご愁傷様」も「お悔やみ」も遺族に対して思いを寄せる言葉ですので失礼にはなりません。

ここでひとつ注意したいのは「ご冥福をお祈りします」という言葉です。「冥福を祈る」は、故人に対しての言葉なので遺族の方に使うべきではありません。さらに、いきなり生前の病状や死因を聞くのも失礼ですからやめましょう。

お通夜をいつするか日程をきめよう

ここまでは、葬儀には欠かせない通夜について、いつ何をどのように行えばよいのかということを中心に、故人が亡くなってから葬儀までの流れを具体的に解説してきました。

いつ何をするかは、暦にも左右され、葬儀社や火葬場の空き状況にも左右されますが、いずれにしても遺族や故人のことを第一に考え、心のこもった通夜にしたいものです。

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