「ご冥福をお祈りします」という言葉を聞いたことがあるでしょう。
しかしその言葉の意味と使うタイミングを理解しているでしょうか。「ご冥福をお祈りします」という言葉には使わないほうがいい場合もあります。他のお悔やみ言葉とともにまとめました。
「ご冥福をお祈りします」を正しく使うには
「ご冥福をお祈りします」という言葉は社会人であれば耳にしたことがあるという人も多いでしょう。では「ご冥福をお祈りします」という言葉はどんな時に使う言葉でどういう意味を持つ言葉なのかを説明できるでしょうか。
「ご冥福をお祈りします」とは、人が亡くなられた時に使うお悔やみの言葉です。冠婚葬祭のマナーは社会人に必須の知識です。「ご冥福をお祈りします」を正しく使うために、使い方や意味を理解しておきましょう。
弔辞のマナーを知っておこう
弔辞のマナーは学校で習ったり会社で誰かに教えてもらうものではありません。「ご冥福をお祈りします」という言葉をどこでどのように使うかは、自身で勉強するか周りの人たちを見て学ぶしかないでしょう。
弔辞のマナーを知らないままでは恥をかいてしまうこともあるでしょう。遺族の方の気持ちを思えば、弔辞のマナーを学ぶことの大切さがわかるでしょう。
「ご冥福をお祈りします」の使い方
「ご冥福をお祈りします」という言葉はいつでもどのように使ってもいい言葉ではありません。言葉の意味や使うタイミングを理解した上で使うようにしましょう。場合によっては故人との関係性なども考えなければなりません。
「ご冥福をお祈りします」を使うにはある程度の経験も必要になります。急に使う場面になった時に焦らないように予習しておきましょう。
1:冥福とは
「ご冥福をお祈りします」という言葉の「冥福」とはどのような意味なのでしょうか。「ご冥福をお祈りします」という言葉は直接声に出して使うことはあまり多くありません。
字で書いたりメールを打ったりする時には「明福」「名福」などと間違えないように注意しましょう。
読み方と意味
「ご冥福をお祈りします」の「冥福」は「めいふく」と読みます。「冥福」とは仏教や道教などの宗教の体系において、現世とは違う基準に基づいて得られる幸福のことを言います。
大きく分類すると「幸せ」や「幸福」と同じニュアンスの言葉です。故人に対して「幸せ」という言葉を使うことは憚られるので「冥福」という言葉が用いられます。「ご冥福」のようにあたまに「ご」をつけるのが一般的です。
「ご冥福」を使ってはいけない時
「ご冥福をお祈りします」という言葉は故人を偲ぶ時に使われる言葉ですが、使ってはいけない場合があります。それは故人や遺族がキリスト教や神道、浄土真宗の3つの宗教・宗派である場合です。
「ご冥福」という言葉が仏教由来の言葉であるため、他の宗教や宗派で使ってはいけない場合もあります。キリスト教や神道、浄土真宗であっても「ご冥福をお祈りします」という言葉を使ってもいい場合もあります。
2:「ご冥福をお祈りします」の意味
「ご冥福」は「幸せ」を意味する言葉です。つまり「ご冥福をお祈りします」という言葉は、「死んだ後の幸せを祈っています」という意味になります。亡くなってしまった後もどうか幸せに過ごしてほしいという願いが込められています。
「ご冥福をお祈りします」という言葉は、その祈りが伝わるようにと頭を下げながら使われることが一般的です。
誰に対して言う言葉か
「ご冥福をお祈りします」という言葉は遺族に対して使われる言葉ではありません。「ご冥福をお祈りします」はお悔やみの意味が込められているので故人に対して使われる言葉です。
お葬式の時、遺族に対して「ご冥福をお祈りします」と言ってしまうと失礼に当たってしまうので注意しましょう。
いつ使うのか
「ご冥福をお祈りします」という言葉は、弔電の中で使われるのがふさわしい言葉です。では「ご冥福をお祈りします」という言葉はいつまで使われるべきことばなのでしょうか。
「ご冥福をお祈りします」は死後の世界の幸せを祈ることなので、厳密にはいつまで使うべきという縛りはありません。しかし死後1年以内で使われるのが一般的です。何十年も使っていると遺族は違和感を覚えるでしょう。
3:使用文例
「ご冥福をお祈りします」 という言葉を使う時には、あれこれ言葉を付け足さないほうがいいと言われています。これからの遺族の生活などには極力触れないようにしましょう。
「同僚の◯◯です。△△様のご冥福をお祈りします」というように故人と自分との関係性を述べると良いでしょう。
他のお悔やみ言葉の文例4つ
お悔やみの言葉にはたくさんの種類があります。対面で使うべきものや手紙で使うべきもの、また遺族に対して使われるものや故人に対して使われるものもあります。間違った使い方をしてしまうと失礼に当たってしまうので覚えておきましょう。
「ご冥福をお祈りします」の他のお悔やみ言葉の文例を4つあげます。どの言葉も故人を偲ぶ想いが込められています。故人と自分との関係性からお悔やみ言葉を選ぶ必要があります。
1:ご愁傷様
「御愁傷様」はお悔やみ言葉の中でも最も軽いニュアンスで使われる言葉です。「残念ですね」という意味合いを含むので、相手を皮肉ったりする時にも使われることがあります。「御愁傷様です」とすれば丁寧な表現になります。
「御愁傷様」という言葉はあまり故人との関係性が深くない人が使うことが多い言葉です。初めて会った人や顔見知り程度の関係の時に使われます。
2:お悔やみ申し上げます
「お悔やみ申し上げます」という言葉は故人に対してではなく、遺族に対して使われる言葉です。「惜しい人を亡くした」「亡くなってしまってとても残念だ」という意味の言葉です。お葬式に参列した時には「お悔やみ申し上げます」が使われるのが一般的です。
「謹んでお悔やみ申し上げますとともに、心からご冥福をお祈りいたします。」というように使われることもあります。
3:哀悼の意を表します
「哀悼の意を表します」という言葉は直接口に出して使われる表現ではありません。手紙に起こしたりメールで使われることが多い言葉です。例えばお世話になった人に対して、会社全体の意見として述べるというような場合に用いられます。
「哀悼」は人の死を悲しみ痛むことを表す言葉で、言葉にできない悲痛な想いを表した言葉でもあります。
4:心中お察しします
「心中お察しします」は遺族に対して使われる言葉です。故人の死に対して悲しみにくれている遺族に対して、励ましの気持ちを込めて使われます。
「故人の死を悲しむ気持ちは、私も同じです」と故人を偲ぶ想いが込められています。
「ご冥福をお祈りします」の使用は注意が必要
いかがでしたでしょうか。「ご冥福をお祈りします」という言葉の使い方には注意が必要です。使うべき時、使うべき場所で「ご冥福をお祈りします」という言葉を使えることは、社会人としてとても大事なことです。