神道のお墓について知っておきたいこと|お墓参りのマナーも紹介

神道についてよく分からないと思っている方でも、自分では知らない内に神道に触れている機会は多いです。

この記事では、神道のお墓や仏教との違い、お墓参りのマナーなどについてご紹介します。ぜひお読みいただき、神道のお墓やお墓参りについての理解を深めましょう。

目次

神道のお墓とは

神道のお墓について、詳しく理解している方は少ないです。神道と仏教にどのような違いがあるのかは意外と知られていません。

神道とは、日本独自の民族宗教で、山や木などの自然の神様や、神話の神様を信仰の対象にしているのが特徴です。しかし、信仰対象が違うというだけで、お墓を建てて祖先を敬うという意味では、神道も仏教もキリスト教も大きな違いはありません。

仏教のお墓との違い

それでは、神道のお墓と仏教のお墓ではどのような違いがあるのでしょうか。この二つの一番の違いは、お墓に戒名を刻まない点です。神道には、戒名が存在せず、変わりに「おくりな」と言われるものがあり、亡くなった年代によって決まります。

また、仏教では墓石に「~家之墓」と刻まれることが多いですが、神道では、「~家之奥都(津)城」と刻むことが多いです。

キリスト教のお墓との違い

キリスト教のお墓との一番の違いは、信仰対象の違いです。神道は森羅万象の神を崇拝するのに対し、キリスト教は、イエス・キリストの教えを信仰しています。

キリスト教では、お墓は故人を祭るものではなく、故人の記念碑の意味合いが強いです。そのため、家ごとに墓を建てる仏教や神道と違い、一人に一つの墓が建てられます。墓石には、十字架が刻まれ、故人の名前や、聖書や賛美歌の一節などを刻む場合もあります。

神道のお墓について知っておきたい5つのこと

神道が他の宗教と違う点についてご紹介しましたが、次に、神道のお墓について知っておきたいことを5つご紹介します。神道と仏教との違いが一番出るのがお墓ですので、知っておきましょう。

神道のお墓について知っておきたいこと1:神道のお墓の形

まず、神道のお墓についてですが、墓石構造は仏教のお墓とあまり違いはありません。違いは、装飾が少なく、きわめてシンプルな造りになっている点です。

神道でよく見られるお墓の形は、細長で、上部先端が尖った四角錐になった剣のような形の墓石です。この形は、お墓を神器に見立てているとされています。

神道のお墓について知っておきたいこと2:神道のお墓の場所

仏教では多くの場合、お墓はお寺の中に建てられます。しかし、神道では「死は穢れ」とされていますので、神聖な神社の敷地内や、鳥居の内にお墓が建てられることはありません。

そのため、神道のお墓を建てる場合は、宗教不問と記載のある霊園などに建てられることが多いです。霊園には、公営霊園と民営霊園がありますので、見学などの際に、神道でも建てられるか確認すると安心です。

神道のお墓について知っておきたいこと3:神道のお墓の手配

神道で納骨する場合、お墓がある場合は、五十日祭までの、十日ごとの霊祭に合わせて納骨が行われます。お墓が無い場合には、まずお墓や納骨堂などの場所を決めることから始めます。納骨先の霊園が決まり契約が済むと、一年祭または、三年祭に納骨が行われます。

神道のお墓について知っておきたいこと4:神道のお墓に刻む文字

神道では、お墓に刻む文字も、仏教のお墓とは違いがあります。墓石の正面には、「○○家之奥津城」や「○○家之奥都城」と刻みます。このとき、「○○家之」の「之」は付けない場合もあり「おくつき」と呼びます。さらに、墓石の側面には、故人の名前とおくりなを刻みます。

神道のお墓について知っておきたいこと5:神道のお墓での戒名について

神道には、仏教のように戒名が存在しませんが、戒名の代わりに、亡くなった年代によって霊号が与えられます。故人の名前に続けて、おくりなを付けたものを霊号といいます。

年齢おくりな
老年男子老叟(ろうそう)
老年女子大刀自(おおとじ)
壮年男子大人(うし)
壮年女子刀自(とじ)
成年男子彦(ひこ)
成年女子姫(ひめ)
児男童子(どうじ)
女児童女(どうじょ)
乳幼児稚児(ちご)

神道のお墓のマナー5つ

神道のお墓について知ったところで、次は、実際に神道のお墓にお参りするときのマナーについてご紹介します。仏教との違いも多いので、知らずに間違ったお参りをしてしまわないよう、5つのマナーについて知っておきましょう。

神道のお墓のマナー1:服装

神道のお墓参りの服装は、霊祭などで参列者としてお参りする場合は、喪服でお参りするのがマナーですが、通常のお盆やお彼岸などのお参りであれば、喪服でなくても大丈夫です。

仏教のお墓参りと同じで、お参りの前にはお墓周りの掃除をしますので、掃除しやすい服装がです。

神道のお墓のマナー2:お供え物

神道では、お供え物にも仏教とは違いがあります。お酒や、故人が好きだった好物を供えるのは仏教と同じですが、神道では、神具である白いお皿に、洗ったお米や塩をお供えします。また、お花の代わりに、神棚などにお供えする榊を、お墓にもお供えします。

神道のお墓のマナー3:お墓参りの時期

お墓参りの時期については、神道と仏教で大きな違いはありません。お墓参りは、お盆・お彼岸・霊祭などの前後に行います。霊祭とは、回忌法要にあたります。神道では、霊祭は数字どおりに行われます。例えば、一年祭は一年後、三年祭は三年後となります。

仏教も神道も、お参りする気持ちが大切なので、年数や時期に関係なく、お参りしたいときにお参りしましょう。

神道のお墓のマナー4:準備品

お墓参りに行く前に、しっかり準備していった方が良いものは、お墓を掃除するときに使う、掃除道具一式です。ほうきやゴミ袋の他に、古い榊などを包む新聞紙もあると便利です。バケツや柄杓、スポンジなどの掃除道具は、仏教のお墓参りに使うものと変わりません。

また、神道では、花の代わりに榊を備えるので、榊も準備しましょう。お灯明に使うろうそくやお供え物も、忘れないように事前に準備しておきましょう。

神道のお墓のマナー5:お墓参りの基本的な流れ

次にお墓参りの基本的な流れをご紹介します。最初に、お墓の掃除をします。墓石を傷つけないよう、柔らかいスポンジなどで優しく洗いましょう。掃除が終わったら、花立に榊を立てます。

次に、八足台に神式の灯明立をセットしてろうそくを点けます。お供えを供えたら、二礼二拍手一礼で拝礼をしてお参りします。神道では、数珠や線香は使いませんので気を付けましょう。

神道のお墓について正しく理解しよう

神道のお墓についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。仏教と違うことも多く、知らないことも多い神道ですが、故人を想いお参りする気持は同じです。

マナーを知っていれば、いざという時、焦ってしまうことなく、穏やかな気持でお参りすることができますので、この機会に神道について正しく理解しましょう。また、神道について知ることで、いろいろな物事に感謝できるようにもなります。

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