七回忌とは、故人が亡くなって満6年目に行われる仏事です。
七回忌の法要に参列する際には香典を持参しますが、そこには色々守らなければならないマナーが存在します。表書きや名前の書き方、お札の向きや新札と旧札のどちらが良いかなどまとめました。参考にしてみてください。
七回忌とは
家族や親戚などの身内が亡くなったら葬儀が営まれます。葬儀が終わると、亡くなった人を供養するために法事・法要が行われます。命日から一年ごとに行われる法事を年忌法要といい、七回忌は三回忌の後、故人が亡くなってから満6年目に行われる仏事です。
七回忌なのに、なぜ7年目に行わないのでしょうか。それは故人が亡くなった日を一日とし、亡くなった年を1年と数えるためです。七回忌の法要は命日前に行うようにしましょう。
七回忌の香典を贈るときのポイント
お通夜や告別式に参列する際に持参するのが香典です。香典は線香や花の代わりに、亡くなった方の霊前に供える金品で、色々なマナーが存在します。
七回忌の香典を贈るにあたり、そもそも香典とは何なのか、相場はいくら位なのか説明していきます。金額の相場は親族、親族以外、小さな子供を連れて行く場合とで異なるので注意しましょう。
守るべきことが守れていないと、常識を知らない人というように見られてしまうこともあります。
1:香典とは
そもそも香典とはどういったものなのでしょうか。香典には亡くなった方への供養と、葬儀という急な出費に対する助け合いの意味があります。
いくら包むかは亡くなった方との関係性を考えますが、香典返しで遺族に負担をかけてしまうこともあるので、多ければいいというものではありません。
香典は訃報を受けたあと、お通夜か葬儀のどちらかだけ持参すれば大丈夫です。両日ともに参列する場合は、お通夜に渡す人が多いでしょう。
2:金額の相場
七回忌の法要に参列する場合、金額はいくら位包めばよいでしょうか。地域や地方の慣習によって異なるので一概には言えませんが、一般的な香典の相場を見ていきましょう。
七回忌までに回忌法要は、一周忌と三回忌が行われてきています。一周忌は参列する人も多いですが、三回忌以降は亡くなった方と近しい関係にある人に集約されていきます。七回忌は故人が亡くなって満6年目になるので、ほとんどが親族のみの法要となるでしょう。
親族
親族の七回忌の法要に参列する場合について考えてみましょう。親族の七回忌の法要での香典の相場は、三千円から五万円ほどを包むのが一般的でしょう。
親族と一口に言っても、兄弟姉妹や叔父や叔母、従兄弟など関係性は色々です。別々に暮らしていれば、宗教や宗派などそれぞれのマナーやしきたりがあり、香典の金額についても相違があることでしょう。日頃から交流を持ち、このような場でのことについて相談しておくとよいです。
親族以外
七回忌だとほとんどが親族のみだと書きましたが、「ほとんど」であって必ずしも親族だけとは限りません。亡くなった方との生前での関係性によっては親族以外の人を招いたり、または参列したりする可能性もあります。そんなときは香典をいくら包めばよいでしょうか。
親族ではない場合は、五千円から一万円ほどが相場でしょう。その後の外食にも出席する予定なら一万円ほど上乗せします。会食については事前に確認しておきましょう。
小さな子供を連れて行く場合
亡くなった方が家族や従兄弟など親戚だったとしたら、七回忌の法要に家族で参列することもあるはすです。その際に小さな子供がいれば、一緒に連れて行くこともあるてしょう。その場合はいくら包めばよいでしょうか。
一般的には余計に包むなどする必要はないので、親族として三千円から五万円ほどで大丈夫てす。ですが会食に出席する場合は、中学生までなら大人の半額、中学生以上であれば大人と同額を包むようにするとよいです。
七回忌の香典袋の書き方
七回忌の法要に参列することが決まったら、香典を準備しなければいけません。包む金額の相場は説明しました。次は香典袋の書き方です。どのように書けばよいでしょうか。
香典袋の書き方にももちろん色々なマナーが存在します。使用する墨の色、表書き、名前の書き方、中袋、金額の書き方について詳しく説明していきます。
何でもかんでもとにかく書いてあればよいというものではありません。気持ちを込めて丁寧にやりましょう。
黒墨を使用
お通夜や葬儀の際には薄墨が使用されることが多いです。そのためその後の年忌法要でも薄墨を使う人もいるのではないでしょうか。ですが、それはかえって失礼にあたることもあります。
七回忌などの法要の際の香典は、通常黒い墨を使用します。薄墨には、突然の訃報で慌ててしまい墨がよく擦れなかった、または涙が混じってしまい墨が薄くなってしまったなど、お通夜独特の意味が込められているので使用しない方がよいでしょう。
表書き
表書きには「御霊前」や「御仏前」などといった言葉がありますが、書く際には少し注意が必要です。というのも、表書きにどのような言葉を用いるかは宗教によって違ってくるからです。仏教、神道、キリスト教それぞれの書き方について説明していきます。
七回忌の法要に参列する際には事前に確認して、必ず喪家の宗派に合わせた香典を持参するようにしましょう。また、郵送する場合は弔電を打ち、現金書留で香典を送るようにします。
仏教
仏式で使用できる表書きは「御霊前」「御香典」「御香料」「御仏前」の4つです。仏式の場合、香典袋に書く表書きは49日より前なら御霊前を、49日後なら御仏前を使用するのが一般的です。
これは忌明けとなる49日を迎えるまでは成仏できず霊体のままで、49日を迎えたあと仏様になると考えられているためです。
七回忌では49日を既に迎えているので御仏前が用いられます。また、浄土真宗では一貫して御仏前を使用します。
神道
神式で使用できる表書きには「御霊前」「御玉串料」「御榊料」「御神前料」「御神饌料」があります。お通夜や葬儀、法要のどの場合でも使用できます。香典に使う袋は通常の不祝儀袋で構いませんが、蓮の花がデザインされているものは仏教用となるので無地を選ぶのが無難でしょう。
神道においては七回忌という概念はなく、「霊祭」と呼ばれるものが仏教の法要に当たります。神社ではなく、自宅や墓前で行われるのが一般的です。
キリスト教
キリスト教で使用できる表書きは「御花料」「献花料」「御霊前」「御ミサ料」「忌慰料」があります。
キリスト教は、大きくプロテスタントとカトリックに分かれます。御花料を使用するのが一般的で、御花料、献花料はカトリックとプロテスタントのどちらの宗派にでも使用できます。御霊前、御ミサ料はカトリック派、忌慰料はプロテスタント派が主に使用します。
キリスト教で宗派が分からない場合には、御花料としておくと無難です。
名前
続いて名前の書き方です。名前の書き方にもルールが存在します。
七回忌の法要に参列することが決まったら香典袋を用意します。香典袋にある水引の下部、中央にしっかり姓名を記名しましょう。記名する方が1名のみの場合は何も難しいことはありません。しかし複数人になる場合は書き方が変わってきます。
3名以下の場合と4名以上の場合について説明していきます。書くときに名字だけや下の名前だけという書き方は適していません。
3名以下
まず3人以下で連名とする場合です。連名で名前を書く場合は3人までというのが一般的です。三人以下の場合は、中央から順に左側へと書いていきます。記名する3人の関係性にもよりますが、上位者、下位者という関係性がない場合は五十音順で書いていきましょう。
会社などで連名で出す場合は、右側に身分が上の方の名前がくるようにします。夫婦で連名とする場合は、中央に夫の名前、そして左側に妻の名前を書くようにしましょう。
4名以上
そして4人以上の場合です。会社などで4人以上の連名で香典を出す場合は、課や部署といったグループの団体名を中央に書き、その下に一同と書きます。「営業部一同」という感じです。または、代表者の姓名を中央に書き、代表者の名の左下に小さく「他一同」と書く場合もあります。
また香典袋に会社名を入れることもあるでしょう。その場合は、代表者よの名前の右側に上から小さく「○○株式会社」といったように書くようにします。
中袋
次に中袋の書き方です。七回忌の法要で使用する香典の中袋には、住所・氏名・金額を必ず書くようにしましょう。中袋の表面に金額、裏面の左側に住所と名前を書きます。
遺族の方は香典返しをするので、誰からいくら頂いたか整理する必要があります。香典返しを贈る際に住所や名前がないと、誰から頂いた香典で何処へ香典返しの品を贈ればよいか分かりません。遺族に手間をかけさせないためにも、書き忘れのないようにしましょう。
金額の書き方
金額を書く際は、数字の書き間違えを防ぐために旧字体を使用するのが一般的です。ですが、普段使用している漢数字でも問題はありません。書き方は、中袋の表面の中央に「金 ○○円也」と書きます。
中袋がない香典袋の場合は香典袋の外袋に直接金額や住所氏名を書きますが、中袋がある場合でも。外袋と中袋の両方に金額や住所、名前を書くようにしましょう。最近では住所や金額を書くところが既に印刷されている香典袋もあります。
香典袋のお札の入れ方
七回忌の法要に参列する際には香典を持参します。香典袋の表書き、中袋、住所氏名、金額についての書き方についてはここまで説明してきました。あとは中身を入れるだけですが、香典袋にお札を入れるときには気を付けなければならないことがあります。新札は良いのか悪いのか、お札の向きはどのようにするのかという2点について説明していきます。
香典を準備する過程で悩む人が多いところでもあるでしょう。覚えておくと佳いです。
新札はNG?
結婚式などお祝い事のときには新札が良いとされていますが、香典袋に入れるお札は新札と旧札のどちらが良いのでしょうか。
気にしない地域もあるようですが、一般的に新札を使用するのは避けるべきといわれています。新札だと亡くなることを予想していたかのようで、あまり良く思われません。ですが、新札しか手元にない場合もあるでしょう。そんなときはわざわざ旧札を用意する必要はなく、一度折って折り目をつければ大丈夫です。
お札の向き
お札の向きについても考えてみましょう。お札は人物が描かれている方が表で、描かれていない方が裏です。
香典袋からお金を出したときにお札の顔が見えないように、また取り出したときにすぐに識別できるように入れましょう。香典袋に入れるお札の枚数が2枚以上となる場合は、お札の向きを揃えるようにします。
ちなみに中袋にお札を入れたら、基本的に糊付けは不要です。糊付けをしなくても相手に失礼になることはありません。
七回忌の香典マナーを知って故人を偲ぼう
七回忌の法要に関して、香典袋の書き方について説明してきました。七回忌など葬儀や法事に参列する際には香典を持参しますが、ただお金が入れてあればいいというものではありません。
七回忌の香典のマナーについて、なぜそのようにするのかということを理解したうえで故人を偲びましょう。表書きや名前の書き方、お札の入れ方などの一つ一つにマナーが存在していて、守るべきものを守ることで遺族への配慮にも繋がることでしょう。