マンションにも、仏壇は置けるのでしょうか。また、仏壇を置く際は、どのような点を注意すれば良いのでしょうか。
この記事では、マンションに仏壇を置く際のポイントや、マンション向けの仏壇の種類などを、考察・ご紹介しています。ぜひ参考にしてみて下さい。
仏壇とは
「仏壇」と言えば、各家庭に置いてあるイメージをお持ちの方も多いでしょう。一方で、近年はマンションなどで暮らす人も多く、仏壇を置かない家庭も少なくないため、仏壇がどのようなものか、いまいちわからないという方もいらっしゃるでしょう。
以下に引用した「コトバンク」の説明によると、「仏壇」の定義は一般的に、先祖や故人の遺影や位牌などを祀る場所だとされています。
仏の座としての台を総称していう場合は須弥壇 (しゅみだん) をさし,また龕 (がん) や厨子のことを仏壇ということもあるが,一般には家庭に設けられた,仏祖および在家の位牌などを祀るところをいう。その形態は宗旨によって異なる。
引用:コトバンク
マンションに置きやすい仏壇もある
仏壇は、宗派などによっても見た目などが異なりますが、一般的には黒を基調とした、四角い棚のようなものを連想する方が多いでしょう。そのため、マンションなどで暮らしている方からすれば、「仏壇を置くには賃貸ではスペースが足りない」と感じがちだと予想できます。
しかし最近では、マンション向けの仏壇なども存在しています。スペースが厳しい場合は、マンション向けの仏壇を探してみると良いでしょう。
マンションに仏壇を置く際のポイント10
続いては、マンションに仏壇を置く際、どのような点を意識したり気を付けたりすれば良いのか、考察していきます。
仏壇は、どこでも良いから置けば良いというわけではありません。しかし、いくかのポイントさえ気を付ければ、配置や奥ことが難しいものでもないため、この機会にポイントなどを覚えて、仏壇を正しく置けるようにしましょう。
1:ご本尊様の位置
マンションに仏壇を置く際、小型の仏壇を置く方も多いでしょう。小型の仏壇は、一般的な仏壇と比較すると、高さも低くなっていることが多いため、ご本尊様の位置も低くなりがちです。
しかし、仏壇を置く際、ご本尊様は正座をした自分の目線よりも、高くなるように置く必要があります。ですから、マンション用の小さな仏壇は、棚の上に置くなどしてご本尊様の位置が目線より高くなるようにすることが大切です。
2:仏壇と神棚の関係
マンションの中には、神棚も設置されているケースもあるでしょう。神棚がある部屋に、仏壇も置く場合は、配置に注意する必要があります。
神棚と仏壇を向かい合わせの位置になるように配置すると、どちらかを拝んでいる時に、どちらかにお尻を向けるようになってしまいます。神棚や仏壇にお尻を向けることは、とても失礼なことにあたるため、向かい合わせに配置しないようにすることが重要です。
3:仏壇の向き
宗派などにもよりますが、基本的に仏教では、どの方角であっても仏さまがいらっしゃると考えられています。そのため、仏壇を向けてはならない方角は、特にないと言われています。
しかし、一般的には北向きに仏壇を置くことは、避けるケースが多いとされています。ですから、マンションに仏壇を置く場合も、北向きにはなるべく置かないようにしましょう。
4:人が集まりやすい場所にする
仏壇は、ただ置いておくためのものではありません。手を合わせて、拝むためのものです。そのため、普段なかなか立ちいらないような部屋や、人目につきにくい場所などには、なるべく置かないようにした方が良いと言われています。
家族はもちろん、来客なども手を合わせやすいよう、人が集まりやすい場所に置くと良いとされています。
5:直射日光が当たらない場所
仏壇は、デリケートなつくりになっています。直射日光に弱く、直射日光があたり続けると、劣化したり壊れたりする原因となる危険性もあります。ですから、なるべく直射日光が当たらないようにすることをします。
どうしても直射日光が当たる場所にしか置けない場合は、部屋の窓にカーテンを付けるなどして、なるべく仏壇に直射日光が当たらないよう、工夫しましょう。
6:風通しが良い場所
仏壇は、直射日光だけでなく、湿気にも弱いと言われています。そのため、湿気が多そうな部屋や、水気の近くなどに置くのは、マンションの場合も戸建ての場合も、避けた方が良さそうです。
上記のような背景から、マンションに仏壇を置く場合は、日光とともに湿気にも気を付けて、なるべく日光・湿気を避けられる部屋やスペースを意識しましょう。
7:冷暖房の風が当たらない所
仏壇は大変デリケートなものとなっているため、エアコンや冷暖房の風などでも、劣化したり破損の原因となったりすることがあると言われています。
ですから、マンションに仏壇をく場合は、エアコンや冷暖房の風が直接当たる場所には、仏壇を置かないようにしましょう。日光や水気とともに、冷暖房の風の通り道でないかどうかも、仏壇を置く際に確認することが大切です。
8:テレビなどの上はNG
マンション用の仏壇を置く場合、手を合わせる際にご本尊様が自分の目線よりも上に来るようにするためには、棚などの上に置く必要が出てくるケースも多いでしょう。
しかし、棚などの上は問題ないものの、テレビやオーディオなどの、音がなる物の上は、避けた方が良いと言われています。音がなるものは、場合によっては振動することもあり、仏壇を劣化させる原因となる可能性もあると考えられます。
9:安定性が良い場所
仏壇を棚などの上に置く場合は、安定性に注意する必要があります。安定性が悪い場所に仏壇を置くと、ぶつかったり揺れたりした際に、些細なことで落下する危険性があります。
マンションに仏壇を置く場合は、棚やキャビネットの上などに置くケースもありますが、仏壇を置く棚やキャビネットが、安定しているものなのかどうかも、よくチェックする必要がありそうです。
10:心を落ち着かせられる場所
仏壇は、手を合わせて故人や先祖へ思いを馳せるためのものでもあります。ですから、ただ置くだけでなく、しっかり手を合わせることも大切です。
そのためには、仏壇の前に正座をして手を合わせるスペースを作る必要があります。また、心を落ち着かせて手を合わせられるように、部屋の環境などを整えておくことも大切だと考えられます。
マンションに置きやすい仏壇の種類
上記でも述べたように、マンションでも置けるよう、最近ではサイズやデザインが考慮された仏壇も存在しています。仏壇と一言で言っても、デザインや型にはさまざまなタイプが存在しているため、どのようなタイプがあるのか把握しておくと、仏壇を選ぶ際に選びやすいでしょう。
そこで続いては、マンション向けの仏壇の種類について、考察していきます。
1:上置き型
何度か述べているように、マンションに仏壇を置く場合、棚やキャビネットなどの上に置くケースも少なくないでしょう。
棚などの上に置くことを想定して作られているのが、「上置き型」と呼ばれるタイプの仏壇です。棚などの上に置くことを想定されているため、小型なものが多く、マンションに置く場合にも向いていると言えるでしょう。
2:壁掛け型
仏壇の中には、壁掛け型と呼ばれるタイプも存在しています。名称どおり、壁に掛けて設置するタイプとなっているため、部屋数やスぺースが少ないマンションでも、スペースを有効活用して、コンパクトに仏壇を設置することが可能です。
中には、扉を開けるタイプもあり、扉を開けないと仏壇とは気付かないような、モダンでおしゃれなタイプも存在しています。
3:床置き型
マンションでも、床にしっかりと仏壇を置いて手を合わせたいという方も、いらっしゃるでしょう。きちんと仏壇を置いて祀りたいという方には、床置き型と呼ばれるタイプの仏壇がです。
床置き型の仏壇には、台座が付いています。台座と一体型となっているため、そのまま床に置くことが可能となっているのです。
4:開閉型
開閉型の仏壇とは、名称どおり、開閉することができるタイプを指します。中には、洋風の部屋などに置いても違和感がないよう、デザインされている仏壇もあるため、インテリアなどとともに置いてもよく馴染むものもあります。
上記のように、マンションの部屋や住宅の洋風化に合わせて、デザインなどが工夫された仏壇を、「モダン仏壇」などと呼ぶケースもあります。
マンションにも仏壇は置ける
今回は、マンションに仏壇を置く場合をテーマにして、仏壇を置く際のポイントや、マンションに向けの仏壇の種類などについて、考察・ご紹介しました。
マンションは、スぺースが限られているため、仏壇を置けないと考える方もいらっしゃるでしょう。しかし、近年では、マンション向けの小型の仏壇やモダンなデザインの仏壇も、多数存在しています。ぜひ、部屋に合った仏壇を探してみて下さい。