お墓は本当に必要なの?お墓を持たない場合の供養方法

近年、お墓を持たない人、お墓は必要ないという人が増えてきています。

個々の事情がありますので、お墓を持たないことや、必要ないという考えはしょうがないことです。ここでは、お墓を持たない場合の方法を詳しく解説していきます。

目次

お墓の意義とは

お墓とは普段意識しなくても、とても身近な存在です。人によってはお墓は必要ないという人もいますが、お墓自体の歴史は古く、古代からその風習は伝わっています。

普段はあまり意識しないお墓ですが、ここではお墓の意義や歴史、お墓の必要性や必要ない場合、どのように供養すべきなのかを解説していきます。

お墓の歴史

お墓の歴史は古く、日本では縄文時代から死者を埋葬した形跡が見られますし、世界的にも初期人類が何かしらの埋葬を行ってきていたことがわかっています。

また、人類だけではなく、人類に近いと言われるチンパンジーや猿なども、仲間の死を悼み、何かしらの行動をとると言われています。お墓の歴史は人類に脈々と受け継がれたDNAに刻まれていると言ってもいいでしょう。

お墓が必要とされる理由

お墓が必要とされる理由ですが、これにはいろんな理由があります。古代では、権力者が巨大なお墓を持つことにより、自身の権力の正当性を誇示していました。庶民は、お墓とは肉体を土に還し、魂を天に送り、そしてお墓には肉体の魂が宿ると考えられてきました。

お盆には、お墓の灯明を持ち帰り、魂を持ち帰ります。そして、お盆を終えると、お墓に魂を持ち帰ります。お墓は魂の家として必要と言われています。

お墓は本当に必要なのか検証

お墓は必要という人がいる一方で、お墓は必要ないという人も多く存在します。実際に、生前から自分の墓は不要という人もいるほどです。

また、実際問題として、お墓を持つことが不可能という人もいるため、このお墓が必要か否かという問題は、とても難しい問題です。

そのせいか、現在はお墓以外での先祖供養の方法も多く存在しますし、市民権を得ています。ここでは、お墓は本当に必要なのかを検証していきます。

お墓を持たない「ゼロ葬」が増加

ゼロ葬という言葉を聞いたことがあるでしょうか。このゼロ葬とは、お墓を持つ必要がないという人が行う方法の一つで、世間にある種衝撃を与えた手法です。

ゼロ葬のやり方はとてもシンプルです。火葬場で遺体を火葬したあと、そのまま立ち去るという、とても驚くような葬り方といえます。

ゼロ葬に関しては、地域や火葬場によって、受け入れるか否かが変わりますので注意が必要です。

現在のお墓が抱える問題

ゼロ葬に関しては、物議をよぶこともありましたが、現在は広く受け入れられてきています。そして、このようなやり方が広まる背景には、根本的なお墓に対する問題があることも忘れてはいけません。

お墓が必要ない、という問題は、現在の少子化なども深く関わっています。そのため、簡単な問題ではなく、社会的な問題の一つであるいえるでしょう。

1:跡取りがいない

お墓が必要ない、という問題の一つに、跡取りがいないという問題があります。せっかくお墓を作っても、跡取りがいなければ、それを管理する人がいません。

現在の日本では、結婚をせずに生涯独身で過ごす人も多いですから、跡取りがいないという人も多いでしょう。そうなってくると、根本的にお墓が必要ないといえます。

世の中の流れとして、お墓という概念が変わってきているといえます。

2:お墓が遠い

もう一つの問題として、お墓が現在の住まいよりも遠いという問題があります。昔と比べ、今は誰でも自由に多くの土地へと移動、移住ができます。

先祖代々の土地という概念も乏しくなってきていますので、実家のお墓が現在の住まいよりも遠くて、管理ができないという問題も多く発生しています。

管理できないお墓ならば、最初からお墓は必要ない、という意見が出てもおかしくはありません。

3:維持費

お墓が必要ないと理由に、お墓の維持費が挙げられます。お墓は基本的に霊園やお寺に設置されますが、お墓の場所も無料ではありません。

地方によって金額は変わりますが、それなりの価格がお墓の土地代、管理費用として取られてしまいます。

そのようなお金を払う余裕がない、という人もいますので、そのような理由から、お墓は必要ない、という人も増えてきています。

お墓を持たない場合の方法5つ

お墓が必要ない場合でも、遺体を放置するわけにはいきません。何かしらの方法で死者を弔う必要があります。そんな場合には、お墓を持たずに死者を弔う方法がいくつかあります。

先述したゼロ葬よりもきちんとした形で、しかしお墓は必要ない、という人には、ぜひしたい方法です。

お墓は必要ない人向けの葬い方法、5つを紹介していきます。

1:合同葬

合同葬は、合祀とも言われ、火葬した後の遺骨を大勢の人と一緒に埋葬する方法です。この合同葬の最大のメリットは、金銭的な負担がお墓を作る時よりもかなり少なくすむというところです。

しかし、一度埋葬してしまうと、二度と遺骨を取り出すことが不可能になります。また、親戚との間で問題にもなる場合もあります。

合同葬を行う場合には、事前に血縁者が入れば、話し合いを行うことが重要です。

2:納骨堂

納骨堂は、お墓の中に遺骨を入れるのではなく、室内の決まったスペースに骨壷を収納します。

納骨堂は、例えば夫婦二人や、家族ひとまとめといった、先祖代々というよりも、家族ごとの埋葬を希望する人にとっては大きなメリットがあります。

費用もお墓を持つよりは安く済みますし、お墓のように手入れが大変ではありません。納骨堂は、新しいお墓のスタイルといえるでしょう。

3:永代供養

永代供養とは、子々孫々に渡り、供養するのではなく、寺院などが代わって供養を行ってくれる埋葬方法です。

お墓が必要ない人や、子供達に供養の負担をかけたくない人がこの選択をされています。埋葬方法は、先ほど挙げた合同葬になります。

一度埋葬されたあとは、寺院が責任を持って供養をしてくれますので、お墓は必要ないし、供養の負担もかけたくないが、供養はしてもらいたい人にはです。

4:散骨

散骨とは、火葬後の遺骨を粉々に砕き、砕いた骨を山や海に撒いてしまう方法です。こうなると、お墓は完全に必要ありませんし、究極の葬り方という人もいます。

散骨に関しては、全てを散骨して撒いてしまう人も入れば、一部を散骨する人もいます。また、遺骨を石に取り込み、アクセサリーとして使用している人もいますので、散骨のやり方やあり方も多々存在している状況です。

1:樹木葬

散骨しての葬い方の一つに、樹木葬があります。樹木葬とは、樹木をお墓に見立て、樹木の周りに砕いた遺骨を撒いてしまう方法です。

遺骨を樹木の周りに撒いてしまうことで、遺骨を完全に土に還し、樹木の栄養としてもらいます。

樹木が育てば育つほど、故人を思い出すことができるということで、現在、この樹木葬は高くを伸ばしている埋葬方法です。

2:海洋散骨

海洋散骨は樹木葬と違い、砕いた骨を海に撒いてしまうという埋葬方法です。

海洋散骨は、樹木葬とは違い、固定の場所に埋葬はされませんが、広い海に撒かれることにより、ある意味地球全体が墓標となると言われています。

海を見るたびに故人を思えるということもあり、この海洋散骨も、現在はのある埋葬方法です。

お墓が必要なく、かつ埋葬に関して血縁者から理解を得られる場合、選択してもいいといえるでしょう。

自宅保管

近年は、火葬した後の遺骨を納骨せずに、自宅にそのまま保管しているという人も増えてきました。仏壇に遺骨を置いている人や、仏壇を置かずに、遺骨を置くスペースを準備して、そこに遺骨を置いておくなど、スタイルは多種多様です。

遺骨が自宅保管である以上、費用は一切かかりません。そう考えると、一番金銭的にも問題はないといえるでしょう。

墓じまいをする手順

墓じまいとは、お墓の継承者がいなかったり、金銭的な問題でお墓を無くしてしまうことです。

墓じまいをする場合、お墓の中にある遺骨をどうするのかを決めなければなりません。

それこそ難しい問題ですので、家族や親戚などとしっかりと話し合いをしなければ、後からのトラブルの元になってしまいます。墓じまいの手順や遺骨の今後について解説していきます。

1:親族と話し合う

墓じまいを行なった場合、一番の問題が親族との問題です。実際、墓じまいのトラブルで一番多いのが、この親族とのトラブルです。墓じまいした後の、遺骨の供養方法、そして供養は誰が責任を持って続けるのか、費用はどうするのかなど、決めることはとても多いです。

もし、その場で合意が取れていても、数年後などに再び問題が再燃する可能性もあります。墓じまいで親族と話し合う際には、書面を交わす方がいいでしょう。

2:供養方法を決める

墓じまいでは、お墓をなくしますので、遺骨の保管や供養方法を決めなければなりません。今回解説した、合同葬や散骨、納骨堂といった多くの選択肢がありますので、その中から、皆が納得いく供養方法を選択しなければなりません。

供養方法もトラブルの原因になり、これもその場で同意が取れていても、後から問題が再燃しやすいといえます。

供養方法を選んだ際も、書面を交わすことが望ましいといえます。

3:改葬する

改葬とは、埋葬されている遺骨を別のお墓や永代供養に変更する手続きです。

改葬は墓じまいと似ている部分はありますが、お墓をなくすという訳ではありません。しかし、墓じまいと同じく、先祖由来のお墓から遺骨を移すという作業が必要になりますので、親族との調整が必要になります。

改葬時には、全ての遺骨を移すパターンと、一部の遺骨を移すパターンもありますので、話し合いで決めていきましょう。

お墓が必要か親族とよく話し合おう

お墓の問題は、とてもデリケートな問題です。自分の父親、母親といった、一番近い身内の遺骨であっても、個人に関わる親族の意見は尊重する必要があります。

遺骨やお墓の問題は、その後の親戚問題をとてもややこしくします。多くの事情があり、墓じまいをしたり、お墓を作らないという決断をすると考えられますが、必ず意見交換会を行うようにするのが円滑な解決方法といえるでしょう。

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